2010 FIFAワールドカップ・決勝

2010 FIFAワールドカップ決勝: スペイン vs オランダ

2010年7月11日、南アフリカ・ヨハネスブルクにあるサッカー・シティ・スタジアムにて、第19回FIFAワールドカップの決勝が行われました。この試合では、オランダとスペインが対戦し、どちらの国もワールドカップ初優勝を目指していました。

ファイナリストの歴史と背景

オランダとスペインは確固たるサッカーネーションとされながらも、ワールドカップでの優勝経験はありませんでした。オランダは1974年と1978年に決勝進出を果たしましたが、どちらも敗北を喫しています。一方、スペインは1950年のブラジル大会で4位に入ったのが最高の成績であり、今回は初の決勝進出となりました。両国の対戦成績は互角であり、これまでに数多くの熱戦が繰り広げられてきました。

この決勝戦は、「ワールドカップ初優勝をかけた国同士の対決」として非常に注目され、また開催地外での欧州勢勝利や、「ワールドカップ未開催国による優勝」がかかった特別な試合でもありました。

決勝までの道のり

ヨーロッパ予選では、両国とも圧倒的な強さを見せ、オランダはグループ9で全勝、スペインもグループ5で無敗で進出を決めました。オランダはグループEを3連勝で通過し、その後もスロバキアやブラジル、ウルグアイを下して決勝へ進みました。

一方、スペインは初戦でスイスに敗北しつつも、グループリーグ最終戦で勝ち上がり、決勝トーナメントでもポルトガルやパラグアイに勝利し、初の決勝進出を果たしました。

試合の展開

待ちに待った決勝戦は、高度な戦術と攻防が繰り広げられました。スペインは中盤をしっかり支配し、オランダはFWアリエン・ロッベンを中心にカウンター攻撃を仕掛けます。両チームともにチャンスを作りながらも得点が生まれず、試合は延長戦に突入しました。

延長前半、スペインのアンドレス・イニエスタがチャンスを作るものの、オランダのGKが阻止。一進一退の攻防が続くなか、延長後半に入ると、ついに決定的な瞬間が訪れました。

延長後半11分、スペインのセスク・ファブレガスが絶妙なパスを出し、イニエスタがボレーシュート。完璧な一撃がGKの手に少し触れながらもゴールに吸い込まれ、スペインが初優勝を手にしました。このゴールは決勝点となり、長い間待たれていた歴史的な瞬間が訪れたのです。

試合のデータと視聴率

この試合では、両チーム合わせてワールドカップ決勝史上最多となる14枚のイエローカードが出されました。また、FIFAによれば、全世界で9億1000万人がこの試合を観戦し、スペインでは82.9%という驚異的な視聴率を記録しました。日本でも地上波で放送され、平均視聴率は12.0%に達しました。

特別なエピソード

試合の背景には名誉ある瞬間もありました。試合前には南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラが姿を見せ、スタンドから大きな声援を受けました。また、決勝点を決めたイニエスタは、親友を悼むメッセージをアンダーウエアに書いており、試合を通じて心温まる場面がありました。

この試合をもって、スペインは7ヶ国目のワールドカップ優勝国となり、サッカーヒストリーに名を刻むことになったのです。

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