2011年の台風

2011年の台風に関する詳細

2011年の台風は、発生数こそ少なかったものの、日本に大きな被害をもたらしたものが複数ありました。以下にその詳細を記述します。

2011年の台風の特徴

発生数: 21個と、1951年の統計開始以降で4番目に少ない記録でした。特に10月以降の発生数は2個と過去最少でした。
発生数の少なかった要因: フィリピン東方海上の対流活動が例年よりも不活発であったことが一因と考えられます。
日本への接近: 日本に接近した台風の数は9個と平年より少なかったです。
上陸数: 上陸した台風は3個と平年並みでした。

各台風の詳細

以下に、2011年に発生した各台風の詳細をまとめました。各台風の発生日時、進路、被害状況について詳しく解説します。

台風1号（アイレー）

発生: 5月6日にフィリピンの東で発生。
進路: ルソン島に上陸後、日本方面に進み、九州南東沖で熱帯低気圧に。
被害: フィリピンで死者35人、日本でも4人の死者が出ました。

台風2号（ソングダー）

発生: 5月20日にカロリン諸島で発生。
進路: フィリピン方面へ西進後、南西諸島を沿うように進み、四国沖で温帯低気圧に。
被害: 沖縄県で58人が負傷、愛媛県で1人が死亡しました。

台風3号（サリカー）

発生: 6月9日にフィリピン西部で発生。
進路: 中国へ北上し、汕頭市に上陸後、熱帯低気圧に。
被害: 中国で23人が死亡、10人が行方不明となりました。

台風4号（ハイマー）

発生: 6月17日にフィリピンの東で発生。
進路: 南シナ海で発達後、広東省に上陸、ベトナムで熱帯低気圧に。
被害: ベトナム北部を中心に死者・行方不明者と300人近い負傷者が出ました。

台風5号（メアリー）

発生: 6月21日にフィリピンの東で発生。
進路: 先島諸島に接近後、朝鮮半島方面へ北上、北朝鮮付近の海域で温帯低気圧に。
被害: 沖縄県で1人が負傷、韓国で死者・行方不明者が出ました。

台風6号（マーゴン）

発生: 7月11日にウェーク島付近で発生。
進路: 四国に上陸後、和歌山県を通過、三陸沖で温帯低気圧に。
被害: 三重県と高知県で死者、奈良県で行方不明者が出ました。局地激甚災害に指定。

台風7号（トカゲ）

発生: 7月15日にフィリピンの東海上で発生。
進路: 台風6号に吸収される形で消滅（藤原効果）。

台風8号（ノックテン）

発生: 7月25日にフィリピンの東で発生。
進路: フィリピンのルソン島に上陸後、ベトナムに再上陸、タイとラオスの国境付近で熱帯低気圧に。
被害: フィリピンで75人が死亡、ベトナムなどを含めると死者は100人を超えました。

台風9号（ムイファー）

発生: 7月27日にカロリン諸島で発生。
進路: 沖縄地方へ北上、朝鮮半島に最接近後、中国で熱帯低気圧に。
被害: 沖縄県で重傷者を含む42人が負傷、韓国、北朝鮮、フィリピンでも死者が出ました。

台風10号（マールボック）

発生: 8月3日にウェーク島で発生。
進路: 西に進んだ後、北に転じ、温帯低気圧に。

台風11号（ナンマドル）

発生: 8月21日にパラオの北部海域で発生。
進路: フィリピン北部を通過後、台湾に上陸、熱帯低気圧に。
被害: フィリピンで漁師2人が行方不明となりました。

台風12号（タラス）

発生: 8月24日にマリアナ諸島の西で発生。
進路: 高知県東部に上陸後、岡山県南部に再上陸、日本海で温帯低気圧に。
被害: 死者・行方不明者は100人近く、浸水家屋は2万2000棟を超える規模となりました。激甚災害に指定。

台風13号（ノルー）

発生: 9月2日に南鳥島近海で発生。
進路: 日本の東を北上、温帯低気圧に。

台風14号（クラー）

発生: 9月6日にフィリピンの東海上発生。
進路: トカラ列島付近で熱帯低気圧に。

台風15号（ロウキー）

発生: 9月9日にマリアナ諸島で発生。
進路: 大東島地方を一周した後、静岡県に上陸、東日本を縦断し、千島列島沖で温帯低気圧に。
被害: 死者18人、行方不明者1人、浸水家屋7800棟を超える規模となりました。激甚災害に指定。

台風16号（ソンカー）

発生: 9月14日にウェーク島で発生。
進路: 小笠原諸島に接近後、温帯低気圧に。

台風17号（ネサット）

発生: 9月23日にパラオ諸島の北部で発生。
進路: ルソン島に上陸後、海南省を横切り、ベトナムに上陸、熱帯低気圧に。
被害: フィリピンで多数の死者・行方不明者が出ました。

台風18号（ハイタン）

発生: 9月24日に南シナ海で発生。
進路: ベトナムに上陸直前に熱帯低気圧に。

台風19号（ナルガエ）

発生: 9月26日にフィリピンの東で発生。
進路: ルソン島に上陸後、海南省を横切り、ベトナムに上陸直前に熱帯低気圧に。

台風20号（バンヤン）

発生: 10月9日にパラオ諸島で発生。
進路: 熱帯低気圧になった後、フィリピン中部の島嶼群を横切り、南シナ海で消滅。

台風21号（ワシ）

発生: 12月13日にカロリン諸島で発生。
進路: ミンダナオ島を横断後、パラワン島に再上陸し、南シナ海で熱帯低気圧に。

その他の熱帯低気圧

気象庁が「台風」に分類しなかった熱帯低気圧についても、発生の記録があります。また、台風に発達する可能性のある熱帯低気圧にはアルファベットが付与されます。

補足情報

アリューシャン低気圧: 1月にはアリューシャン低気圧が発達し、日本で大雪となりました。
その他: 2月や2012年1月にも熱帯低気圧が発生しましたが、台風には発達しませんでした。

まとめ

2011年は台風の発生数は少なかったものの、日本に大きな被害をもたらした台風が複数ありました。特に台風12号と15号は、激甚災害に指定されるほどの甚大な被害をもたらしました。各台風の詳しい進路や被害状況については、上記の表を参考にしてください。

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