2012年のロードレース世界選手権

2012年FIMロードレース世界選手権：新時代の幕開け

2012年のロードレース世界選手権は、64回目の大会として開催されました。このシーズンは、いくつかの重要な変更点が特徴として挙げられます。まず、それまで125ccクラスとして行われていたレースが、4ストローク250cc単気筒エンジンを搭載するMoto3クラスへと移行しました。これは、ロードレース世界選手権の歴史における大きな転換点の一つと言えるでしょう。

最高峰のMotoGPクラスでは、ケーシー・ストーナーとホンダが前年の王者としてシーズンに臨みました。Moto2クラスチャンピオンのステファン・ブラドルはLCRホンダに移籍し、MotoGPクラスに参戦。同様に、125ccクラスチャンピオンだったニコラス・テロルはMoto2クラスへとステップアップを果たしました。これらのライダーたちの活躍が、シーズンを盛り上げることになります。

MotoGPクラスのレギュレーションも変更されました。エンジンの排気量は最大1000ccに引き上げられ、シリンダー径、気筒数にも制限が設けられました。この変更によって、それまで参戦していた5気筒以上のエンジンを搭載したマシンは姿を消しました。これらのレギュレーション変更は、レースの様相を一変させることになります。

このシーズンから新たに導入されたのが、クレーミング・ルール・チーム（CRT）です。これは、低予算の独立チームが参戦しやすいように設けられた規定で、エンジン数や燃料制限などが緩和されました。しかし、ファクトリーチームがエンジンの「クレーミング」を行った場合、一定の価格でエンジンを販売しなければならないというルールも存在しました。初年度は16もの新チームがCRT規定で参戦を表明しました。

Moto2クラスにおいても大きな変化がありました。2011年6月には6チームの参戦が発表されましたが、その後、2チームが追加され、さらに修正が加えられました。FIMによる発表内容の変更によって、当初発表されていたチームの中には、最終的に参戦を取り止めるチームもありました。

レーススケジュールは全18戦で構成され、当初発表されたカレンダーに修正が加えられた後、カタールGPが1週間繰り上げられました。一部のレースはナイトレースとして開催され、またMotoGPクラスのみが開催されるグランプリもありました。

ポイントシステムは上位15名にポイントが与えられる方式で、レースを完走することが条件でした。ライダーズランキングでは、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの選考基準も定められており、過去に一定のレース数に出場経験がないライダーが対象とされました。

2012年シーズンは、Moto3クラスの誕生、MotoGPクラスレギュレーションの変更、CRT導入など、多くの変化がありました。これらの変化は、レースの展開や参戦チームの構成に大きな影響を与え、新たな時代の幕開けとなるシーズンとなりました。各チーム、ライダーの活躍、そして新しい時代の到来を象徴するシーズンを、詳細な記録とともに振り返ることができるでしょう。そしてこのシーズンは、今後のロードレース世界選手権の進化の方向性を示す重要な一年となりました。

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