2012年アジア野球選手権大会

2012年に台湾の台中市で開催された第26回アジア野球選手権大会は、アジア野球連盟（BFA）が主催する、各国代表チームによる野球の国際大会です。この大会は、2012年11月28日から12月2日までの期間にわたって行われました。アジア地域の野球強豪国が集結し、熱戦が繰り広げられた結果、日本代表が圧倒的な強さを見せつけ、全勝で優勝の栄冠を掴みました。

大会の背景と開催経緯

この第26回大会は、当初の予定から一年遅れて開催されました。もともとは2011年にフィリピンでの開催が決定していましたが、フィリピン側が開催権を返上したため、代替開催国が現れず、大会は2012年へと延期されることになりました。この開催延期は、本大会の予選にも影響を及ぼしました。2010年に開催された第9回アジアカップは、当初第26回選手権の予選として位置づけられていましたが、大会の延期によりその資格を失い、改めて2012年に第10回アジアカップが開催され、本戦の出場権が争われることになったのです。

出場チームとその編成

今大会には、開催国であるチャイニーズタイペイ、前回大会優勝国の日本、そしてアジアの強豪である韓国、中国の4カ国に加え、改めて開催された第10回アジアカップを勝ち抜いた2カ国が参加しました。第10回アジアカップは西アジアと東アジアに分かれて開催され、パキスタン（西アジアカップ優勝）とフィリピン（東アジアカップ優勝）が本戦への出場権を獲得しました。これにより、合計6カ国がアジアナンバーワンを目指して戦いました。

各国のチーム編成には特色が見られました。開催国のチャイニーズタイペイ代表は、同年に控えていたワールド・ベースボール・クラシック（WBC）の予選を突破した場合、本大会にはWBC本戦を見据えたトップチームを出場させる方針を示していました。日本代表は、国内の社会人野球の選抜選手と大学生によってチームを編成。一方、韓国代表は、国内プロ野球の1.5軍や2軍クラスの選手に、大学生選手を加えてチームを構成しました。

予選：第10回アジアカップ

2012年のアジア野球選手権大会の出場権を巡る予選として、第10回アジアカップが開催されました。今回は、西アジアと東アジアの地域別に分けて行われました。

西アジアカップは、2012年3月23日から28日にかけて、パキスタンのラホールで行われました。ホスト国のパキスタンに加え、イラン、スリランカ、アフガニスタンの4チームが参加しました（当初参加予定だったインドはビザの問題で不参加）。この大会を制したパキスタンが、第26回選手権への出場権を手にしました。

東アジアカップは、2012年9月19日から23日にかけて、タイのバンコクで開催されました。タイ、フィリピン、香港、シンガポール、ミャンマーの5チームが参加。激戦の末、フィリピンが優勝を果たし、もう一つの出場枠を獲得しました。こうして、パキスタンとフィリピンが主要4カ国とともに、本戦の舞台に立つことになったのです。

大会形式と試合の経過

本大会は、参加6カ国による総当たり戦形式で行われました。大会初日には、韓国対フィリピン、パキスタン対中国の試合に加え、開催国であるチャイニーズタイペイと日本の対戦が組まれ、注目を集めました。大会期間中は連日複数試合が消化されましたが、大会3日目には雨天により試合が順延されるなど、天候の影響も受けました。特に日本代表は、社会人・大学生主体でありながら、プロ選手を含む他国の強豪チームを相手に、一戦一戦着実に勝利を重ねていきました。

最終結果

全日程が終了した結果、日本代表が全5試合で勝利を収め、見事な全勝優勝を達成しました。これは、若手選手中心のチームながら、アジアにおける日本の野球レベルの高さを改めて示す結果となりました。他の参加国もそれぞれ健闘を見せましたが、最終的に日本が頂点に立ちました。詳細な最終順位や個人表彰選手の記録はここでは触れられていませんが、日本チームの優勝は、今後の国際舞台での活躍に期待を抱かせるものとなりました。

2012年のアジア野球選手権大会は、様々な背景を持つ中で開催されましたが、アジア各国のチームが国際経験を積み、地域の野球振興に貢献する重要な機会となりました。

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