2012年ロンドンオリンピックの独立参加選手団

2012年ロンドンオリンピックの独立参加選手団

2012年ロンドンオリンピックでは、特例として「独立参加選手団」が組織されました。これは、通常のオリンピック参加に必要な国内オリンピック委員会（NOC）の名義で参加できない選手のために設けられた措置です。具体的には、以下の2つのグループの選手で構成されました。

旧オランダ領アンティル
南スーダン

旧オランダ領アンティルからの参加

かつてオランダの自治領であったオランダ領アンティルは、2008年北京オリンピックまで独自の選手団を派遣していました。しかし、2010年の解体に伴い、2011年にNOCの承認を取り消されたため、選手はどの国・地域の代表としても参加できない状況に陥りました。

そこで、IOCは救済措置として、独立選手団としての参加を認めました。参加選手は、キュラソー出身の男女3名で、男子400m走、男子柔道81kg級、女子セーリングの各競技に出場しました。

南スーダンからの参加

2011年にスーダンから独立した南スーダンは、ロンドンオリンピック開催までにNOCを設立することができませんでした。そのため、同様に独立参加が認められました。ただし、参加選手は男子マラソンに出場したグオル・マリアル1名のみでした。彼はスーダン内戦によって難民となり無国籍でしたが、オリンピックへの出場を果たしました。

IOCコードと過去の事例

独立参加選手団に与えられたIOCコードは「IOA」でした。このコードは、2000年シドニーオリンピックで東ティモール選手団が個人参加した際にも使用されましたが、組織としての連続性はありません。

まとめ

2012年ロンドンオリンピックの独立参加選手団は、政治的な理由やNOC設立の遅れなど、様々な事情で通常のオリンピック参加が叶わなかった選手たちに、夢の舞台を提供するという重要な役割を果たしました。彼らの参加は、オリンピック精神の多様性と包容性を象徴する出来事として、記憶されています。

関連項目

オリンピックの混合チーム選手団
オリンピックのEUN選手団
1992年バルセロナオリンピックの独立参加選手団
2000年シドニーオリンピックの個人参加選手団
オランダのスポーツ
オランダ人のスポーツ選手一覧
オリンピックのオランダ領アンティル選手団
2012年ロンドンオリンピックの柔道競技
2012年ロンドンオリンピックの陸上競技
2012年ロンドンオリンピックのセーリング競技

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