2012年FIBAアジアカップ

2012 FIBA アジアカップ

2012年の9月に日本の首都、東京都大田区の総合体育館を会場として開催されたバスケットボールの国際大会です。「FIBAアジアカップ」としてはこれが第4回目の開催にあたり、これまでの大会名称であった「FIBAアジアスタンコビッチカップ」から改称されましたが、その歴史と大会回数は継承されています。本大会は、翌年開催されるFIBAアジア選手権への出場権獲得につながる重要な予選大会としての側面も持ち合わせていました。

この大会で優勝を飾ったのはイラン代表チームであり、彼らはこの勝利によって2013年のバスケットボール男子アジア選手権への出場権を獲得しました。また、惜しくも優勝には届きませんでしたが、2位から5位に入ったチームに対しては、そのチームが所属する地域区分（サブゾーン）におけるアジア選手権の出場枠が追加されるという優遇措置が講じられました。

大会への出場チームは、いくつかの方法で選出されました。まず、開催国である日本代表と、前年の2011年アジア選手権で優勝した中国代表は自動的に出場権を与えられました。これに加え、アジアを構成する6つのサブゾーンそれぞれから予選を勝ち抜いた各1チームが出場枠を獲得しました。さらに、2011年のアジア選手権で準優勝だったヨルダンが属する西アジアと、3位だった韓国が属する東アジアにも、追加の出場枠としてそれぞれ1枠が割り当てられました。

大会に先立つ組み合わせ抽選会は、大会開催と同じく東京にて7月1日に実施されました。本大会はまず出場チームをグループAとグループBに分けて行う予選ラウンドを実施し、その後に上位チームによる決勝ラウンドへと進む形式で進行されました。

しかしながら、この大会においては、その運営体制に深刻な問題が生じました。大会の運営主体であった日本バスケットボール協会は、結果として約1億5千万円にも上る巨額の赤字を計上する事態となりました。この財務的な失敗は、複数の要因が複合的に絡み合って発生したものです。具体的な要因としては、当初アジア連盟から受け取る予定だった約1300万円の助成金が実際には入金されなかったこと、また、入場券収入が当初の見込みより約2400万円も少なかったことなどが挙げられます。さらに、予算計画には計上されていなかった国際映像制作費として約3000万円が必要となるなど、予期せぬ費用が発生したことも大きな痛手となりました。

これらの運営上の不手際は、過去の大会運営と比較しても改善が見られない、極めて杜撰な計画と実行によるものだと指摘されています。特に、過去に約1億3千万円もの赤字を計上したとされる2006年のバスケットボール世界選手権の運営から、全く進歩が見られない体制だったとの厳しい評価も聞かれました。日本バスケットボール協会自身も、この大会運営について「大会運営は大失敗だった」と公式にコメントを発表しており、その深刻さを認めざるを得ない状況となりました。

この2012年のFIBAアジアカップは、アジアにおけるバスケットボール強豪国が集い競い合う場であると同時に、運営面での課題が浮き彫りとなった大会として記憶されています。

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