2013年のテレビ (日本)

2013年のテレビ業界：変革と節目

2013年は日本のテレビジョン放送が始まってちょうど60年という記念すべき年であり、アナログ放送から完全にデジタル化されて初めて迎える新年でもありました。この間、放送を取り巻く環境は大きく変化し、この年も例外ではありませんでした。前年にサービスを開始した新たな放送メディア「NOTTV」が全国への展開を本格化させ、広範な視聴エリアを獲得しました。また、テレビ局にとって重要な5年に一度の免許更改が11月に予定されていました。

番組制作の分野でも、様々な出来事が発生しました。年明け早々には、タレントの板東英二氏が個人事務所の所得隠し問題を指摘された影響で、多くのテレビ番組への出演を見合わせ、複数のレギュラー番組が打ち切りとなる事態に発展しました。特に長年レギュラーを務めたTBS系の人気番組『日立 世界・ふしぎ発見!』からも降板するなど、その影響は広範囲に及びました。

記念すべき60周年を祝う企画として、NHKと日本テレビが異例の共同制作番組『60番勝負』を深夜帯に放送し、話題を呼びました。また、病気療養中だった大塚範一氏がフジテレビ『めざましテレビ』に一時的に生出演し、視聴者に元気な姿を見せましたが、後に病気が再発し再び療養に入りました。

報道分野では、北朝鮮による核実験実施のニュースが報じられた際に、NHK総合テレビが緊急報道のため通常番組を休止・変更するなど、迅速な対応が求められました。また、BPO（放送倫理・番組向上機構）が東海テレビ制作のドラマの過激な表現を審議したり、関西テレビのニュース番組における不適切な映像表現が問題視され、関係者が処分されるなど、放送倫理に関する議論も活発に行われました。

スポーツ中継もこの年のテレビを彩りました。野球のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）やFIFAコンフェデレーションズカップ、世界水泳、世界陸上、世界柔道など、国内外の主要な大会が各局で中継され、視聴者の関心を集めました。特にサッカーワールドカップアジア最終予選の日本代表戦は高い視聴率を記録しました。

芸能人の動向も注目されました。タレントの中島知子氏が騒動後初めてテレビ出演を果たしましたが、所属事務所に無断での出演だったため契約を解除される結果となりました。長寿番組のキャスター交代も相次ぎ、TBS『スーパーニュース』の木村太郎氏や関西テレビ『スーパーニュースアンカー』の山本浩之氏が勇退・卒業しました。また、急逝した女優の坂口良子氏や歌手の島倉千代子氏、俳優の三國連太郎氏の追悼特別番組が放送され、多くの人が故人を偲びました。

春と秋には大規模な番組改編が行われ、多くの長寿番組が終了し、新しい番組がスタートしました。特にテレビ朝日系の朝の情報番組『やじうまテレビ!』が終了し、28年にわたる「やじうまシリーズ」に幕が下ろされ、後継番組として『グッド!モーニング』が開始されたことは大きなニュースでした。また、TBS系の夕方ニュース『Nスタ』が放送時間を大幅に拡大し、在京キー局で最も早い開始時間・長い放送時間のニュース番組となりました。フジテレビ系『FNNスーパーニュース』は逆に放送時間を短縮するなど、夕方ニュースの競争と再編が進みました。CBCテレビで始まったローカル情報番組『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』は、後にJNN系列局でネットされる全国的な番組へと発展していきます。

テレビ業界全体に衝撃を与えたのは、長寿バラエティ番組『笑っていいとも!』が2014年3月をもって終了することが司会のタモリ氏自身によって発表されたことでした。32年の歴史に幕を下ろすこの発表は、多くの視聴者や関係者に惜しまれました。また、フジテレビ系の人気番組『ほこ×たて』では不適切な演出が発覚し、放送中止を経て番組打ち切りとなる問題が発生し、放送界に波紋を広げました。さらに、みのもんた氏が身内の不祥事を受けて出演番組を自粛し、後に全ての報道番組から降板することが発表されるなど、著名な司会者の降板も相次ぎました。TBSでは長寿情報番組『はなまるマーケット』の終了も発表されました。

技術面では、東京スカイツリーへのテレビ送信所移転が本格化し、試験放送を経てNHK東京と在京民放キー局5社が5月末に送信を開始しました。これに伴う電波障害問題も発生し、対応が進められました。NHKが新しい放送番組音声の基準「ラウドネス」を導入したことも、放送の質の向上に向けた動きと言えます。

日本テレビが開局60周年記念キャンペーンを展開し、テレビ朝日が年間視聴率で初めてゴールデンタイム・プライムタイムの2冠を獲得するなど、各局の競争と節目が明確になった一年でもありました。多くの番組が記念回を迎え、各テレビ局の歴史の重みを感じさせる出来事もありました。

2013年は、テレビ放送の伝統と新しい動きが交錯し、長寿番組の節目や不祥事による影響、番組改編、技術革新、そして放送倫理といった多岐にわたる出来事があり、日本のテレビ業界にとって変革と再編が進んだ一年だったと言えるでしょう。

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