2014年ソチパラリンピック

2014年ソチパラリンピックは、正式には第11回冬季パラリンピックとして、2014年3月7日から3月16日までの10日間、ロシア連邦の都市ソチで開催されました。この大会は「ソチ2014」とも称され、世界中から集まったパラアスリートたちが冬季競技の頂点を目指しました。

実施された競技の中では、冬季パラリンピックにおいて初めてスノーボードクロスがアルペンスキーの新種目として導入されたことが特筆されます。立位クラスの男女選手がこの新しい舞台で技を競い合いました。その他の競技としては、アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロン、アイススレッジホッケー、車いすカーリングが行われ、各会場で手に汗握る戦いが繰り広げられました。

大会の主要な会場は、黒海沿岸のソチ・オリンピック・パークとその周辺に集約されていました。パーク内のシャイバ・アリーナは7,000人を収容しアイススレッジホッケーの会場となり、アイスキューブ・カーリング・センター（収容人数3,000人）では車いすカーリングが行われました。開閉会式は、40,000人収容のソチ・オリンピックスタジアムで行われ、壮大なセレモニーが展開されました。山岳クラスターにあるローザ・コテル・アルパイン・センターではアルペンスキーが、ローラ・クロスカントリースキーアンドバイアスロン・センターではクロスカントリーとバイアスロンの競技が実施されました。

この大会は、世界各国で大規模なテレビ放送が行われました。開催国であるロシアでは全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社が放映を担当。アメリカではNBCが開会式やアイススレッジホッケー決勝などを放送しました。イギリスではチャンネル4が、前回のロンドンパラリンピックに引き続き放映権を獲得し、約45時間にわたる中継を実施しました。カナダではCBC、オーストラリアではABCがそれぞれ放送を行いました。

日本国内では、NHKが冬季パラリンピックとしては地上波で初めて開会式の生中継を行うなど、注目度の高さを示しました。また、スカパー!は専門チャンネルを設け、全競技をライブ中継を交えながら伝えるという、これまでにない充実した放送体制を構築しました。NHKは、大会期間中には連日ハイライト番組を放送し、大会終了後にはソチパラリンピック総集編「不屈の炎～ソチパラリンピックの10日間～」を放送するなど、多角的に大会の模様を伝えました。

開会式では、ロシアの文化や歴史をテーマにした演出が観客を魅了しました。特に、ロシア国旗やパラリンピック旗が掲揚される前に行われた集団行動は、日本の清原伸彦氏が指導したことで知られています。また、式典に登場した客船には、旧ソビエトの宇宙ステーションと同じ「ミール」の名前が付けられていました。

スポーツマンシップやパラリンピックの理念を体現した選手に贈られるファン・ヨンデ功績賞は、オーストラリアのアルペンスキー選手トビー・ケイン氏と、オランダのスノーボード選手ビビアン・メンテル氏に授与されました。

大会の公式マスコットは、「レイ・オブ・ライト」（太陽の光線）と「スノーフレーク」（雪の結晶）という二体でした。これらのキャラクターが大会を盛り上げました。

この大会に先立ち、同じソチで冬季オリンピックが開催されており、ソチは二つの大規模な冬季スポーツイベントの舞台となりました。日本の選手団もこの大会に参加し、メダル獲得を目指して奮闘しました。

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