2015年カナダ総選挙

2015年カナダ連邦議会選挙

2015年10月19日に行われたカナダ連邦議会選挙は、同国の立法機関である議会の下院議員を選出するための重要な総選挙でした。この選挙は第42回目となり、選挙の実施に先立ち8月2日に下院が解散されました。

選挙の背景には、カナダ経済の低迷があり、与党であるカナダ保守党が推進していたスティーヴン・ハーパー首相の経済政策に対する評価が、主要な争点として浮上しました。また、野党である新民主党（NDP）や自由党が選挙でどれだけ議席を獲得できるかも注目されていました。

基礎データ

カナダにおける下院の解散は通常、総選挙の5週間前に行われますが、今回の選挙では11週間前の解散となりました。この早期の解散は、保守党が豊富な資金力を背景に支持を回復しようとする狙いがあったとされています。

• - 選挙形態: 議会選挙
• - 議員定数: 338名（前回より30名増加）
• - 選挙権: 18歳以上のカナダ国民
• - 被選挙権: 18歳以上のカナダ国民
• - 選挙制度: 完全小選挙区制
• - 不在者投票制度: 特定の条件に該当する有権者には特別投票制度が適用されます。

- 海外に5年以上居住しているが、カナダに戻る意思のある者
- 遠隔地に住んでいるため投票所に行けない者
- 海外に旅行や商用で滞在中の者

主要政党

この選挙においては、以下の主要政党が存在していました：

• - カナダ保守党 (CPC): 2003年に結成された中道右派の政党。
• - 新民主党 (NDP): 1961年に結成された中道左派の社会民主主義政党。
• - カナダ自由党 (LIB): 1861年に設立された中道左派の自由主義政党。
• - ブロック・ケベコワ (BQ): ケベック州を代表する地域政党。
• - カナダ緑の党 (Green): 環境保護に焦点を当てた政党。
• - 力と民主 (Strength in Democracy): BQとNDPを離党した議員によって2014年に結成された政党。

結果

自由党は2006年の総選挙以降、長期間にわたって党勢を低迷させていましたが、2013年にジャスティン・トルドーが党首に就任した後、支持率を上昇させ、今回の選挙では若干150議席を追加して圧勝しました。この結果、自由党は単独過半数を獲得し、政権を確保しました。

一方で保守党は、議席数を99に減らし、野党に転落しました。また、新民主党も59議席を減少させ、44議席となり、野党第2党としての位置を失いました。この選挙を受けて、ジャスティン・トルドーが新たな首相に就任する見込みとなり、カナダの政権は保守党から自由党へと移りました。

2016年4月10日、新民主党のトーマス・マルケア党首は、選挙結果に対する責任を取って辞任する意向を示しました。この選挙の結果は、カナダの政治風景に大きな変化をもたらし、自由党の新たなスタートを象徴するものでした。

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