2016年ハンガリーグランプリ

2016年ハンガリーグランプリ：詳細レポート

2016年7月24日、ハンガロリンクで開催されたF1ハンガリーグランプリは、ドラマチックな展開と、メルセデス勢の強さを改めて印象づけた一戦となりました。本稿では、予選から決勝までの詳細、そしてレースを彩った出来事を多角的に解説します。

レースウイーク前：新体制とレギュレーション変更

レース開始前に、いくつか重要な出来事がありました。まず、ザウバーチームの所有権がロングボウ・ファイナンスS.A.に移行し、創設者ペーター・ザウバーがチームから離脱したことが大きな話題となりました。

技術面では、コース外走行の取り締まり強化のため、電子モニタリングシステムが導入されました。また、前戦イギリスGPでの無線通信に関するペナルティを受けて、FIAは無線通信の規制を厳格化。マシンに問題が発生した場合、ピットインまたはリタイアの指示のみを許可する通達が出されました。さらに、メルセデスはニコ・ロズベルグとの契約を2018年まで延長することを発表しました。

フリー走行：メルセデス優勢とハミルトンのアクシデント

フリー走行1回目はハーフウエットコンディションからスタート。路面が乾き出すと、メルセデス勢が圧倒的な速さでトップタイムを記録しました。ルイス・ハミルトンがトップタイムをマークしました。

フリー走行2回目は完全ドライコンディションで行われました。セッション開始直後、セバスチャン・ベッテルがギアボックスに問題を抱えましたが、大きなトラブルには至りませんでした。しかし、ハミルトンがターン11で単独スピンし、赤旗中断を招くアクシデントが発生。再開後も、フェルナンド・アロンソがエンジントラブルでコースインが遅れるなど、波乱の展開となりました。最終的に、ニコ・ロズベルグがトップタイムを記録しました。

フリー走行3回目は、前日のクラッシュから復活したハミルトンが4位でセッションを終え、ロズベルグがトップタイムを記録しました。レッドブル勢が2位と3位につけ、メルセデスとレッドブルの接戦が予想されました。

予選：雨と赤旗中断の連続劇

予選は、開始直前の豪雨により数回にわたって赤旗中断されるという、異例の展開となりました。マーカス・エリクソンのクラッシュやフェリペ・マッサのクラッシュ、リオ・ハリアントのクラッシュなどが相次ぎ、セッションは中断と再開を繰り返しました。

Q1では、107%ルールに抵触するドライバーが多数いましたが、雨による例外的な状況とみなされ、全車がQ2に進出することになりました。

Q2では、路面コンディションが刻々と変化する中、マクラーレン・ホンダの両車がQ3に進出するなど、波乱がありました。

Q3では、ロズベルグとハミルトンの激しいトップ争いが展開され、最終的にロズベルグがポールポジションを獲得しました。アロンソが終盤にスピンしたため黄旗が出され、ロズベルグは減速を強いられましたが、ペナルティを受けることはありませんでした。

決勝：ハミルトンの圧勝とランキング変動

決勝は、ハミルトンが1コーナーでトップに立ち、そのままレースを支配。見事な走りで3連勝を達成し、ロズベルグを逆転してランキングトップに躍り出ました。ハンガリーGPにおける最多勝記録となる5勝目を挙げました。一方、エステバン・グティエレスは青旗無視によりペナルティを受けました。

まとめ

2016年ハンガリーグランプリは、予選での雨による中断劇、ハミルトンの圧勝劇など、数々のドラマを生んだレースとなりました。メルセデス勢の圧倒的な強さ、そしてレッドブルやマクラーレン・ホンダなどの躍進など、F1の勢力図が改めて示された一戦と言えるでしょう。このレースの結果を受け、ドライバーズ、コンストラクターズランキングは大きく変動し、シーズン後半戦に向けた戦いの行方に注目が集まりました。

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