2016年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ ラウジッツ

2016年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ ラウジッツ大会詳細レポート

2016年9月3日と4日、ドイツのブランデンブルク州ラウジッツで開催されたレッドブル・エアレース・ワールドシリーズ第6戦は、2010年以来6年ぶりのユーロスピードウェイ・ラウジッツでの開催となりました。このサーキットは、カーレースなどにも使用されるスピードウェイとしては初開催ということもあり、多くのパイロットにとって特別な思い入れのある場所でした。特に、2010年大会を制したポール・ボノムや、母国開催となったマティアス・ドルダラー、そしてデビューイヤーの最終戦を迎えたマルティン・ソンカなど、様々なドラマが生まれた大会として記憶されています。

マスタークラス

予選では、ベテランのナイジェル・ラムがトラックレコードを樹立しトップ通過を果たしました。フリープラクティスで好調だったマット・ホールとマルティン・ソンカも上位につけていましたが、ソンカは後にエンジン回転数違反が発覚し失格となりました。地元ドイツのドルダラーは予選では8位と出遅れましたが、ラウンド・オブ・14では見事な飛行でトップ通過。一方、室屋義秀はオーバーGによるDNF（Did Not Finish）で敗退しました。

ラウンド・オブ・8では、ホールとハンネス・アルヒが僅か0.002秒差という接戦を繰り広げました。ファイナル4では、ピート・マクロードが先行する3人にプレッシャーをかける好タイムを記録。ソンカはエンジンのストールというアクシデントに見舞われ、思うような結果を残せませんでした。最終的に、ホールが53秒642という好タイムを記録し、アスコット大会に続く2連勝を達成しました。ドルダラーはホールの記録を上回ることができず、母国での優勝とはなりませんでした。予選から決勝までの各ラウンドでは、パイロンヒットや水平角度違反によるペナルティが複数発生し、レースをよりスリリングなものにしました。

チャレンジャークラス

チャレンジャークラスでは、予選でルーク・チェピエラがトップに立ち、母国開催のフロリアン・バーガーが僅差で2位につけました。決勝は、ブダペスト大会の豪雨による中止を代替開催する形で2レース行われました。1本目の決勝ではダニエル・リファが優勝、ベン・マーフィが2位に入り初表彰台を獲得。2本目の決勝ではバーガーが優勝しましたが、リファも優勝できるタイムを残していました。フリープラクティスでは、マーフィが2本連続でトップタイムを記録するなど、高い実力を見せつけました。予選や決勝でも、パイロンヒットや速度超過、角度違反によるペナルティが各選手に科せられ、接戦が繰り広げられました。

大会概要

この大会は、ポイントランキング上位を争う選手たちにとって非常に重要なレースとなりました。ポイントランキング首位のマティアス・ドルダラーは母国開催というアドバンテージを持つ一方、2位のハンネス・アルヒもチャンピオン争いに絡むためには勝利が不可欠な状況でした。下位につける選手にとっても、チャンピオンの可能性が残されているという、非常に緊迫した状況でのレース展開となりました。また、10月のラスベガス大会までに全選手が6レースを戦うため、ブダペスト大会の中止分の代替レースがラウジッツ大会で行われました。ドルダラーは、カービー・チャンブリスやニコラス・イワノフらと共に会場周辺でテストフライトを行い、万全の体制でレースに臨みました。

まとめ

2016年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ第6戦ラウジッツ大会は、マスタークラスではホールが、チャレンジャークラスではバーガーが優勝という結果に終わりました。各クラスで接戦が繰り広げられ、ペナルティが勝敗を左右する場面も見られました。この大会の結果を受け、チャンピオンシップ争いはますます激しさを増し、最終戦ラスベガスに向けての期待が高まりました。様々なドラマが生まれたこの大会は、レッドブル・エアレースの歴史に新たな1ページを刻みました。

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