2017年カタルーニャ独立住民投票

2017年カタルーニャ独立住民投票：分断と混乱の記録

2017年10月1日、スペインのカタルーニャ州で独立の是非を問う住民投票が強行されました。この住民投票は、スペインの民主化以来、最大級の騒乱を引き起こし、国内外に大きな波紋を広げました。

独立運動の背景

カタルーニャ地方では、長年にわたり独立運動が続いています。独自の言語や文化を持つカタルーニャの人々は、スペインからの分離独立を求める声を上げてきました。2014年には非公式な住民投票が行われ、独立賛成派が多数を占めましたが、投票率は低迷しました。2015年の自治州議会選挙では、独立賛成派が過半数を獲得し、独立に向けた動きが加速しました。

中央政府との対立

カタルーニャ州政府は、2017年10月1日に住民投票を実施することを決定しましたが、スペイン中央政府はこれを違憲であるとして強く反対しました。憲法裁判所も住民投票の実施を差し止める判断を下しましたが、カタルーニャ州政府は住民投票の強行を決定しました。中央政府は、投票箱の差し押さえや投票関係者の逮捕など、なりふり構わぬ妨害工作を展開し、カタルーニャ州政府との対立は激化の一途を辿りました。

投票当日とその後

2017年10月1日、カタルーニャ州全域で住民投票が実施されました。警察は投票所を封鎖し、投票を阻止しようとしましたが、多くの人々が投票所に集まり、投票を行いました。投票当日、警察と住民の間で衝突が発生し、多数の負傷者が出ました。投票の結果、独立賛成が多数を占めましたが、投票率は50%を下回りました。

投票後、カタルーニャ州議会は独立を宣言しましたが、スペイン中央政府は自治権を停止し、州政府幹部を解任しました。その後、州政府幹部は逮捕され、起訴されました。2019年には、州政府幹部に対し、反乱罪で有罪判決が下されました。2021年、スペイン政府は州政府幹部に対する恩赦を決定しました。

世論と影響

住民投票実施前後の世論調査では、カタルーニャ州の独立に対する賛否は拮抗していました。しかし、住民投票の実施そのものには、大多数が賛成していました。住民投票は、プリメーラ・ディビシオンのFCバルセロナにも影響を与え、試合が無観客で行われる事態となりました。

まとめ

2017年のカタルーニャ独立住民投票は、スペイン社会に深い傷跡を残しました。住民投票をめぐる対立は、カタルーニャ地方の政治状況を不安定化させ、スペイン全体の政治にも大きな影響を与えました。独立問題は未だ解決しておらず、今後の動向が注目されます。

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