2017年堺市長選挙

2017年堺市長選挙

2017年9月24日、日本の大阪府堺市において、その首長たる市長を選出するための選挙が実施され、即日開票が行われました。

この選挙は、当時2期目を務めていた現職の竹山修身氏の任期満了に伴い行われたものです。また、改正された公職選挙法により、選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられて以降、全国で初めての市長選挙となりました。

選挙の背景には、現職・竹山氏と大阪維新の会の複雑な関係がありました。竹山氏は、初当選を果たした2009年の選挙では当時の大阪府知事であった橋下徹氏の支援を受けましたが、その後、橋下氏が進める大阪都構想などを巡って維新勢力との対立を深めました。前回の選挙では一転して、自由民主党、民主党（当時）、日本共産党、社会民主党といった非維新の主要4党の支援を得て、維新が擁立した候補との対決を制し、再選を果たしています。

今回の選挙においても、竹山氏は自民党、民進党（当時）、社民党、日本のこころの4党からの推薦を得ました。さらに、共産党も公式な推薦は見送ったものの、「自主的支援」という形で竹山氏を後押しする姿勢を見せました。一方、大阪維新の会は当初、著名な元テレビアナウンサーの擁立を検討していましたが、候補者本人が辞退したため断念。その後、党学生局長を務める大阪府議会議員の永藤英機氏を公認候補として擁立することを決定しました。公明党は、前回と同様に特定の候補者を応援せず、自主投票としました。

選挙の主要な争点は、前回に引き続き、大阪維新の会を中心とする勢力と、竹山氏を支援する非維新勢力との対立構造でした。ただし、前回の選挙で最大の論点であった、大阪市と堺市の両政令市を廃止し特別区を設置するという「大阪都構想」への堺市の参加については、維新側が今回のマニフェストに盛り込まなかったため、直接的な公約として争われることはありませんでした。

立候補者は2名で、現職の竹山修身氏と、大阪維新の会公認の永藤英機氏が立候補しました。

開票の結果、自民党、民進党、日本のこころの推薦と共産党の支援を受けた無所属の現職、竹山修身氏が勝利し、3期目を務めることになりました。大阪維新の会公認で元大阪府議会議員の永藤英機氏を、およそ2万票差で退けました。しかし、竹山氏の得票率は前回選挙を下回る一方、永藤氏側の得票率は増加しました。

竹山陣営は、これまでの8年間の実績を強調するとともに、前回同様、維新が推進するいわゆる「大阪都構想」への反対と堺市の独立維持を公約に掲げ、これが一定の支持を集めました。対する永藤陣営は、「議論が進んでいない」として都構想への堺市参加を公約に含めず、松井一郎大阪府知事（当時、維新代表）らが応援に入るなど組織的な総力戦を展開しました。しかし、候補者決定が出馬表明時期としては遅めの7月となったことも影響し、支持の広がりが限定的となり敗れる形となりました。この結果、大阪維新の会は、前回の2013年選挙に続き、堺市長選挙で2連敗を喫することになりました。維新は当時、大阪市を特別区に再編する大阪都構想の住民投票を2018年秋に再度実施する方針を掲げており、今回の堺市長選での敗北が、その後の都構想を巡る動きに影響を与える可能性も指摘されました。

今回の選挙の投票率は44.31%にとどまり、前回の50.69%から6.38ポイントの大幅な低下となりました。

選挙期間中の2017年9月21日には、堺市長選の応援演説を行っていた日本維新の会の伊東信久衆議院議員が、暴行被害に遭う事件が発生しました。逮捕された男は、演説中の別の候補者に詰め寄ろうとして、止めに入った伊東議員に暴行を加えたとされ、取り調べに対して「うるさかった」と供述したと報じられました。

この選挙の告示日は2017年9月10日でした。また、この市長選挙と同日には、堺市議会議員西区および南区の補欠選挙（各区欠員1名）、ならびに大阪府議会議員堺市堺区選挙区の補欠選挙（欠員1名）も行われました。

*出典は当日有権者数：688,758人、最終投票率：44.31%（前回比：-6.38pts）でした。

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