2018年京都府知事選挙

2018年京都府知事選挙

2018年4月8日、京都府知事の任期満了に伴う選挙が実施され、投開票が行われた。この選挙は、4期16年にわたり知事を務めた山田啓二氏が任期満了での退任を表明したことを受けて実施されたもので、国政における野党共闘の枠組みとは異なり、「非共産対共産」という対立構造が鮮明になった。

選挙の基礎情報

選挙の種類: 首長選挙
選挙事由: 任期満了
告示日: 2018年3月22日
投票日: 2018年4月8日

この知事選挙と同日には、以下の地方選挙も実施された。

京都府議会議員補欠選挙（伏見区、福知山市）
南丹市長選挙
与謝野町長選挙
与謝野町議会議員選挙
井手町議会議員選挙

主な争点

選挙戦で特に注目された争点は多岐にわたった。

1. 山田府政への評価: 4期16年に及ぶ前知事の府政運営に対する評価が最大の焦点の一つとなった。
2. 主要プロジェクトの行方: 亀岡市で計画が進められていた京都スタジアムの建設に関する賛否。
3. 高速交通網の整備: 北陸新幹線やリニア中央新幹線などの高速鉄道ネットワーク整備への対応。
4. エネルギー政策: 高浜原発および大飯原発の再稼働問題に対する姿勢。

これらの政策課題に加え、少子高齢化対策や地域経済活性化など、府民生活に直結する様々な問題が論点となった。

候補者

立候補の届け出を行ったのは、以下の2名であった。

西脇 隆俊
元国土交通省官僚。
自由民主党、公明党、民進党の府連組織が擁立を主導し、立憲民主党や希望の党なども推薦した。
福山 和人
弁護士。
日本共産党が推薦した。

選挙までの経過

選挙に至るまでの主な動きは以下の通りである。

2017年12月6日: 現職の山田啓二知事が、京都府議会本会議において、次期知事選挙に立候補せず任期満了で退任する意向を正式に表明した。
2018年1月28日: 自由民主党、公明党、民進党の京都府連組織が、元国土交通省官僚の西脇隆俊氏を次期知事候補として擁立することを発表した。
2018年2月10日: 西脇隆俊氏が記者会見を開き、正式に立候補を表明。また、弁護士の福山和人氏も同日に会見を行い、立候補する意向を表明した。

選挙結果

2018年4月8日の投開票の結果、前国土交通省官僚の西脇隆俊氏が初当選を果たした。


両候補間の得票差は約8万票であった。

同日に実施された京都府議会議員補欠選挙（伏見区選挙区、福知山市選挙区）では、自民党と共産党のみが公認候補を擁立したが、いずれの選挙区でも自民党公認候補が当選した。

出口調査と地域別分析

地元新聞社による出口調査からは、以下のような傾向が見られた。

西脇氏への投票: 自由民主党および公明党支持層の8割以上が西脇氏に投票した。一方、西脇氏を推薦した立憲民主党の支持層では約6割が福山氏に、無党派層では過半数が福山氏に投票するという分散が見られた。
福山氏への投票: 共産党支持層は福山氏に手堅く投票した。

地域別に見ると、西脇氏は京都市の左京区を除く全ての区で福山氏の得票を上回った。また、京都市以外の大多数の市区町村でも5割から6割の得票を得て、優位に立った。しかし、福山氏も京都市内の10区のうち7区で45%以上の得票を獲得するなど、京都市内を中心に一定の支持を集めた。特に、保守地盤とされる京都府北部では、前回の山田知事選挙（得票率78%）と比較して、西脇氏の得票率が福知山市で20ポイント以上減少するなど、前回選挙ほどの勢いが見られない地域も存在した。

投票率

当日有権者数: 2,092,500人
最終投票率: 35.17%（前回比 +0.72ポイント）

この投票率は、過去の京都府知事選挙と比較して低い水準にとどまったものの、前回選挙よりはわずかに上昇した。

選挙後、新知事となった西脇氏は、前知事から引き継いだ府政の継続性を重視しつつ、公約に基づいた政策を進めていくことになった。

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