2018年新潟市長選挙

2018年新潟市長選挙

2018年10月28日、政令指定都市である新潟市の新たなリーダーを選出する市長選挙が実施されました。この選挙は、現職の篠田昭氏が任期満了をもって退任する意向を表明したことを受けて行われたもので、現職が出馬しない中、4名の新人候補者による争いとなりました。

選挙に至る経緯

現職の篠田市長の任期満了が近づくにつれ、次期市長選挙に向けた動きが活発化しました。2018年4月には、後に当選することになる中原八一氏が会見で立候補の意思を表明。これに続き、吉田孝志氏も出馬を表明しました。夏に入ると、小柳聡氏、そして飯野晋氏も相次いで立候補の意向を示し、新人4名による選挙戦の構図が固まっていきました。その直後の7月下旬、現職の篠田市長が次期市長選挙への不出馬と任期満了での退任を正式に表明。これにより、市長の座を巡る争いは、全く新しい顔ぶれによる混戦となることが確定しました。

候補者と支援態勢

この2018年新潟市長選挙に立候補したのは、届け出順に飯野晋氏、中原八一氏、小柳聡氏、吉田孝志氏の4名です。全員が市長職未経験の新人であり、それぞれが異なる政治的な背景や支持基盤を持っていました。

中原八一氏: 自由民主党から公認や推薦ではなく「支持」という形で支援を得ましたが、自民党に所属する一部の新潟県議会議員や新潟市議会議員は、別の候補者である吉田孝志氏を支持しました。このため、保守層の支持が分裂する、いわゆる「保守分裂選挙」の様相を呈しました。
小柳聡氏: 既存の枠組みを超えた幅広い野党勢力からの支持を集めました。具体的には、立憲民主党の新潟県総支部連合会、国民民主党の新潟県総支部連合会、日本共産党、社会民主党、そして自由党といった各党の県組織や本部から支持を得ており、事実上、これらの主要野党が統一して支援する候補という位置づけとなりました。
飯野晋氏: 退任する現職の篠田市長を支えてきた後援会組織の一部や、新潟市役所のOBなどで構成される層からの支援を受けて選挙戦を戦いました。
吉田孝志氏: 自由民主党内の一部地方議員や、特定の保守系団体からの支持を受けました。

一方で、公明党の新潟県本部は、特定の候補者を推薦したり、組織的に支援したりせず、党員や支持者それぞれの判断に委ねる「自主投票」とすることを決定しました。

このように、選挙戦は単なる与野党対決ではなく、保守層の分裂に加え、野党が統一候補に近い形で臨み、さらに現職支援層や一部保守層が別の候補を支援するという、複数の対立軸が絡み合う複雑な構図となりました。

選挙結果

告示日である10月14日から始まった選挙戦は、激しい政策論争や支持獲得のための活動を経て、10月28日の投開票日を迎えました。多くの有権者が各候補者の訴えに耳を傾け、一票を投じました。

投開票の結果、自由民主党の一部から支持を受けた中原八一氏が、他の3名の候補者を破り、見事、新潟市長への初当選を果たしました。

この選挙の当日有権者数は667,907人でした。最終的な投票率は49.83パーセントとなり、前回の新潟市長選挙と比較して9.26ポイントの大幅な上昇を見せました。これは、現職不在の新人戦となったことや、複雑な支援構図が有権者の関心を高めた結果と考えられます。

同日実施された市議補選

なお、この市長選挙と同日には、新潟市議会議員の補欠選挙（北区選挙区）も実施される予定でした。しかし、こちらの補欠選挙については、立候補者数が、当選に必要な定数内に収まったため、投票は行われず、立候補者がそのまま無投票で当選となりました。

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