2019年世界女子ハンドボール選手権

2019年世界女子ハンドボール選手権：熊本の熱戦とオランダ初優勝

2019年世界女子ハンドボール選手権は、2019年11月30日から12月15日にかけて、日本の熊本県で開催された第24回世界女子ハンドボール選手権です。この大会は、国際ハンドボール連盟（IHF）が主催し、一般財団法人2019女子ハンドボール世界選手権大会組織委員会が運営を担当しました。

特筆すべきは、オランダが決勝でスペインを1点差で破り、見事初優勝を飾ったことです。優勝チームには、2020年東京オリンピックと次回の世界選手権への出場権が与えられました。

会場選定の経緯

2013年10月28日にカタールのドーハで行われたIHF理事会で、当初はノルウェーと日本が最終候補として検討されましたが、最終的に日本での開催が決定しました。

熊本県内では、1997年世界男子選手権の主会場であったパークドーム熊本やグランメッセ熊本を含む10施設が候補に挙がりました。最終的に、メイン会場にはパークドーム熊本（熊本市東区）、サブメイン会場にはアクアドームくまもと（熊本市南区）、予選ラウンド会場には八代市総合体育館（八代市）と山鹿市総合体育館（山鹿市）の4会場が選ばれました。

しかし、2018年2月にIHFが各会場を視察した際、八代市総合体育館に関して「天井が低いため上部に設置するカメラ（国際映像用）のスペースがない」「観客席が開催基準の3000席に満たない（2500席）」「選手や関係者が宿泊するホテルが狭い」などの問題点が指摘されました。山鹿市総合体育館についても、「観客席が2200人収容で開催基準に満たない」「宿泊施設から遠い」という指摘がありました。

これらの問題点を踏まえ、2018年4月12日にスイスで行われた日本側とハッサン・ムスタファIHF会長との協議の結果、「八代市総合体育館の中継カメラ位置の見直しや観客席の確保」「宿泊先のホテルを熊本市内とし、八代市・山鹿市の会場へ移送する」「選手の移動負担を軽減させるために熊本県立総合体育館（熊本市西区）を会場として追加する」という見通しが立ち、同年秋のIHF理事会で正式に決定されました。

大会方式

2017年のIHF年次総会（パリ）にて、本大会の方式が改正されました。出場24カ国は1次リーグで4組に分かれ、各組上位3チームが2次ラウンドに進出、下位3チームが順位決定戦（プレジデンツカップ）に回ります。2次リーグでは、1次リーグを勝ち抜いた12カ国が2組に分かれて対戦し、各組上位2チームが準決勝に進出します。

1次ラウンドの組み合わせ抽選は、2019年6月21日にGINZA SIX地下にある観世能楽堂で行われました。ポット順はIHF世界ランキングに基づいて決定されました。

順位決定方法

各グループの上位3チームがメインラウンドに進出します。順位は、以下の順に従って決定されます。

1. 全試合での勝ち点
2. 全試合での得失点差
3. 全試合での得点
4. 当該チーム同士の対戦における勝ち点
5. 当該チーム同士の対戦における得失点差
6. 当該チーム同士の対戦における得点
7. 抽選

この大会は、数々のドラマと熱戦を生み、世界中のハンドボールファンを魅了しました。オランダの初優勝は、記憶に残る出来事として、ハンドボール史に刻まれるでしょう。

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