2022年クリミア攻撃

2022年クリミア半島における爆発・火災事件の概要

2022年7月以降、ロシアが占領するクリミア半島では、一連の爆発と火災が発生し、ロシア軍のウクライナ南部攻勢において重要な局面を迎えました。これらの事件は、クリミアがロシア軍にとって重要な拠点であると同時に、その防衛体制に脆弱性があることを露呈させました。ウクライナ政府は全ての攻撃に対する責任を公式には認めていませんが、これらの事件は、ウクライナ侵攻の戦況に大きな影響を与えたと見られています。

タイムライン

2022年

7月
7月31日: セヴァストポリの黒海艦隊本部がドローンによる攻撃を受け、6人が負傷。この攻撃により、海軍の日の祝賀行事が全て中止されました。ウクライナ当局は関与を否定しましたが、ロシアの防空システムの脆弱性が指摘されました。

8月
8月9日: ノヴォフェドロフカ市のサーキ飛行場で大規模な爆発が発生し、1人が死亡、13人が負傷。7機の航空機が破壊され、3機が損傷しました。ウクライナの当初の否定にもかかわらず、後にウクライナ軍総司令官は攻撃を認めました。
8月16～17日: クリミア北部メイスコエの弾薬庫が爆発。ジャンコイでも変電所の火災が発生し、2人が負傷しました。ロシア国防省は「破壊工作」による損害であると発表しました。
8月21日: セヴァストポリで爆発音が聞こえ、クリミア当局は防空システムが作動したと発表。翌日、再び爆発音が鳴り響き、ドローン1機が撃墜されたと発表。
8月26日: イェウパトーリヤ近くのノヴォオゼルノエ村で対空防衛システムが作動。

9月
9月7日: エフパトーリヤで数回の爆発が発生。ロシア占領当局は防空システムが作動し、ドローン数機を破壊したと発表。
9月21日: セヴァストポリのコザチャ湾で海上ドローンが発見され、検査後に爆破。
9月26日: ヤルタ、グルズフ、シンフェロポリで爆発と防空作戦の可能性が報告。

10月
10月1日: セヴァストポリ付近のベルベック軍用空港で爆発が発生。防空システムがドローン1機を撃墜したと報道。
10月8日: クリミア大橋でトラック爆発が発生。橋の一部が崩落し、列車の燃料輸送車両に引火。3人が死亡。ロシアはウクライナを非難し、この攻撃がウクライナへのミサイル攻撃の理由であると主張。
10月27日: セヴァストポリのバラクラヴァ火力発電所が無人機攻撃を受け、変圧器が損傷。

セヴァストポリへのドローン攻撃
10月29日: セヴァストポリ海軍基地が無人水上機と航空ドローンによる攻撃を受ける。ロシア国防省は、無人機9機と自律型潜水機7機が使用されたと発表。少なくとも3隻の艦船が攻撃を受けたとされ、その中には黒海艦隊の新たな旗艦「アドミラル・マカロフ」が含まれている可能性があると報じられました。この攻撃の後、ロシアはウクライナとイギリスが攻撃に関与したと非難し、黒海穀物輸出協定への参加を一時停止しました。

11月
11月22日: セヴァストポリで数回の爆発音が報告され、海上交通が停止。火力発電所に向かっていたドローン2機が撃墜されたと発表。

12月
12月10日: セヴァストポリで爆発音が報告され、対空システムが作動。
12月30日: セヴァストポリで再び爆発音が報告され、対空システムと航空機が海上でロケットを迎撃。

2023年

1月
1月2日: セヴァストポリで爆発音が報告され、対空システムが起動し、ドローン2機を撃墜。
1月3日: ジャンコイで爆発が報告され、対空システムが作動したと報道。
1月15日: セヴァストポリで爆発音が報告され、対空システムが作動、湾上空でドローン1機を破壊。


これらの出来事は、クリミア半島がウクライナ侵攻の重要な戦域であり、ロシアの軍事インフラが継続的な攻撃に晒されていることを示しています。

これらの事件は、ロシアが2014年に併合したクリミア半島の安全保障に対する深刻な疑問を投げかけ、ウクライナとの紛争における地政学的な緊張を高める要因となっています。

関連項目

2022年ウクライナ夏季の反転攻勢
クリミアの歴史
* 2022年ロシアのウクライナ侵攻のタイムライン

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