2022 FIFAワールドカップ日本代表

2022 FIFAワールドカップ日本代表

2022 FIFAワールドカップ日本代表は、2022年にカタールで開催されたFIFAワールドカップに出場したサッカー日本代表チームです。

大会概要

日本代表は、7大会連続7回目のワールドカップ出場を果たしました。前回のロシア大会後、コーチから監督に昇格した森保一がチームを率い、アジア最終予選では苦戦を強いられましたが、最終的には6連勝で本大会への切符を手にしました。森保監督は、日本人監督として初めて4年間チームを率いてワールドカップに臨みました。

登録選手数は、新型コロナウイルス感染症への対策と過密日程を考慮し、従来の23人から26人に拡大されました。また、予備登録リストも最大35人から55人に増やされました。森保監督は、2022年10月21日までに予備登録メンバー55人のリストをFIFAに提出し、そのリストには過去に代表に招集したことのない選手は含まれていないことを明らかにしました。

最終登録メンバー26人は、他の出場国に先駆けて11月1日に発表されました。また、U-19日本代表のスペイン遠征メンバーから10人が、遠征後にトレーニングパートナーとして代表チームに合流する予定でしたが、U-19日本代表内で新型コロナウイルスの陽性者が確認されたため、この計画は中止となりました。

本大会までの道のり

森保監督は、「世代間の融合」をテーマに掲げ、就任当初から積極的に若手選手や代表経験の浅い選手を起用し、4年間で歴代最多となる120人もの選手を代表に招集しました。前任の西野朗監督が築いた「選手に自由を与え、個性を尊重するチーム作り」を継承しつつ、過去の代表監督たちが残したキーワード（岡田武史監督の「全員攻撃全員守備」、ザッケローニ監督の「インテンシティ」、ハリルホジッチ監督の「デュエル」など）を活かした戦い方を目指しました。さらに、「良い守備から良い攻撃」という新たなキーワードも掲げました。

当初は、中島翔哉、南野拓実、堂安律の3人を新たな攻撃の軸として期待し、「新BIG3」という愛称も生まれましたが、中島の負傷や南野、堂安のレギュラー落ちなどにより、この組み合わせが機能することは多くありませんでした。

2019年のコパ・アメリカでは、東京五輪世代の選手を多く起用し、一部のベテラン選手を再招集しました。この大会では、中島翔哉と久保建英が攻撃の中心となり、森保監督が理想とする「お互いの距離感を良くしてコンパクトに戦う」スタイルを体現しましたが、中島の負傷により、このコンビも長くは続きませんでした。

その後、鎌田大地や伊東純也が攻撃の軸として台頭しましたが、アジア最終予選で苦戦したことから、森保監督はフォーメーションを4-2-3-1から4-3-3に変更しました。この変更により、守田英正や田中碧といった選手が台頭し、遠藤航との3ボランチを形成しました。伊東が右サイドを突破し、大迫勇也と南野がゴールを狙う新たな攻撃スタイルが構築され、ワールドカップ出場を決めました。

2022年6月の親善試合では、最終予選での出場機会が少なかった選手を多く起用し、選手層の拡大を図りました。9月の親善試合では、フォーメーションを再び4-2-3-1に戻し、2列目の選手を増やすことで、チーム全体のコンパクトさを取り戻し、ハイプレス・ショートカウンター戦術を浸透させることを目指しました。

メンバー選考

メンバー選考では、森保監督が兼任していた東京五輪世代の選手が9人選ばれました。一方で、予選でチーム最多得点を挙げた大迫勇也や、継続的に招集されていた原口元気、セルティックで活躍していた古橋亨梧などが落選しました。川島永嗣と長友佑都は、史上最多タイとなる4回目の選出となりました。

本大会での戦い

日本はグループEに入り、ドイツ、スペイン、コスタリカと同組になりました。海外メディアは、日本が同居するグループEを2強2弱と見ており、日本代表にとっては非常に厳しい戦いが予想されていました。

ドイツ戦

初戦のドイツ戦では、前半に先制を許しましたが、後半に堂安律と浅野拓磨がゴールを奪い、逆転勝利を収めました。ワールドカップでドイツに勝利したのはアジア勢初となりました。

コスタリカ戦

続くコスタリカ戦では、日本がボールを保持して攻める展開となりましたが、相手の堅守を崩すことができず、終盤に失点し、敗れました。

スペイン戦

スペイン戦では、前半に先制を許す苦しい展開となりましたが、後半に堂安律と田中碧がゴールを奪い、再び逆転勝利を収めました。この結果、日本はグループEを首位で通過し、2大会連続の決勝トーナメント進出を決めました。

決勝トーナメント1回戦（ラウンド16）

決勝トーナメント1回戦では、前回大会準優勝のクロアチアと対戦しました。前半に前田大然がゴールを決めましたが、後半に追いつかれ、延長戦でも決着がつかず、PK戦の末に敗れました。

三笘の1ミリ

スペイン戦で逆転ゴールをアシストした三笘薫の折り返しが、ゴールラインを割っていたかどうかが大きな議論を呼びました。最終的には、VARによる検証の結果、ボールがわずかにラインにかかっていたと判断され、ゴールが認められました。

ドーハの歓喜

ドイツ、スペインという強豪国を破った一連の勝利は、「ドーハの歓喜」または「ドーハの奇跡」と表現されました。特に、1大会で2回の逆転勝利は、過去にブラジルと西ドイツしか達成していない記録であり、日本の快挙を伝えるメディアが多くありました。

グループリーグ結果

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