2023年ドニプロの集合住宅へのミサイル攻撃

2023年ドニプロ集合住宅ミサイル攻撃について

2023年1月14日、ロシアのウクライナ侵攻中に、ウクライナのドニプロにある集合住宅がミサイル攻撃を受けました。この攻撃は、同日にウクライナ各地で行われた攻撃の一部であり、多数の死者と負傷者を出す結果となりました。

攻撃の詳細

ウクライナ軍参謀本部の発表によると、ロシア軍はKh-101/Kh-555、Kh-22航空巡航ミサイル、カリブル海上巡航ミサイル、Kh-59誘導航空ミサイルといった高精度兵器を使用し、約28発の巡航ミサイルと5発の誘導航空ミサイルを発射しました。このうち、18発の巡航ミサイルと3発の誘導航空ミサイルはウクライナ空軍によって撃墜されたとされています。

ウクライナ国家非常事態庁は、このミサイル攻撃により、ドニプロの9階建て集合住宅に着弾し、子供3人を含む40人以上が死亡、75人以上が負傷したと発表しました。また、報道官は使用されたミサイルが長距離爆撃機から発射されたKh-22巡航ミサイルであると主張しました。

各国の反応

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この攻撃を受けてロシア国民に対し「臆病風に吹かれて沈黙している」と非難しました。また、ポーランドのマテウシュ・モラヴィエツキ首相は、「非人道的」で「ロシアは民間人に対する戦争犯罪を意図的に犯し続けている」と批判し、エストニアのカジャ・カラス首相は「ロシアはテロ国家であることを改めて示した」と述べました。

一方、ロシア側は今回の攻撃がウクライナによるものであると主張し、自国軍の関与を否定しました。しかし、モスクワでは、今回の攻撃の犠牲者を追悼する市民が拘束される事態も発生しました。

また、ウクライナ大統領府顧問だったオレクシイ・アレストビッチは、攻撃当日に「ロシアのミサイルを迎撃したが、集合住宅に落下した」との推測を述べ、ロシア側の主張に利用されることになりました。この発言に対し、ウクライナ軍参謀本部はロシア軍が発射したミサイルのうち21発を迎撃したと発表しましたが、ウクライナ空軍司令官はKh-22の撃墜は不可能であると否定しました。このため、アレストビッチの発言はウクライナ国民から大きな批判を浴び、一時謝罪したものの、後に自身のFacebookで「着弾時に2回の爆発音を聞いた友人の証言から、最初の爆発は防空によるものだと確信した」と主張し、謝罪を撤回しました。これにより、ウクライナ最高議会からの批判が高まり、アレストビッチは辞任しました。

国連安全保障理事会の対応

国際連合の安全保障理事会は、この攻撃を受けて公開会合を開催しました。フランス、日本、アルバニアの代表がロシアの攻撃を強く非難し、ロシアは「ミサイルはウクライナ側が住宅地に配備した防空網によって迎撃され、集合住宅に落下したものだ」と反論しました。

まとめ

ドニプロの集合住宅へのミサイル攻撃は、ウクライナ紛争における民間人への深刻な被害を象徴する出来事となりました。この攻撃は、ロシアによる侵攻の残虐さを浮き彫りにするとともに、国際社会に深い衝撃を与えました。

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