2024年パリオリンピックのアーティスティックスイミング競技

2024年パリオリンピック アーティスティックスイミング競技

2024年の夏季にフランスのパリで開催された第33回オリンピック競技大会において、アーティスティックスイミング競技は8月に実施されました。本競技は、世界水泳連盟（旧称・国際水泳連盟）によって運営されました。

競技形式の主な変更点

今大会では、アーティスティックスイミングの競技形式にいくつかの革新的な変更が導入されました。最も注目されたのは、チーム競技において、構成メンバーとして男子選手が最大2名まで編成に加わることが可能となった点です。これは、長らく女子選手のみで行われてきたアーティスティックスイミングにおいて、ジェンダーの壁を越える歴史的な試みと言えます。しかしながら、実際のパリオリンピック本番において、この新ルールを活用し、チームメンバーとして競技に出場した男子選手はいませんでした。

また、チーム部門における演技種目にも変更がありました。従来実施されてきたテクニカルルーティンとフリールーティンに加え、新たにアクロバティックルーティンが種目として追加されました。これにより、チームは3種類のルーティンを組み合わせた合計得点で最終順位を競うこととなり、よりダイナミックで革新的なパフォーマンスが求められるようになりました。

出場資格と参加国・組数

今大会のアーティスティックスイミング競技には、チームとデュエットの2つのカテゴリーが設けられました。各国からの参加は、チーム、デュエットともに1組までに制限されていました。

チーム競技には合計10カ国が出場しました。出場資格は、開催国であるフランス（ヨーロッパ大陸の代表枠も兼ねる）に加えて、アジア、アメリカ大陸、アフリカ、オセアニアからそれぞれ1カ国ずつが選出されました。これらに加え、2024年にドーハで開催された世界水泳選手権におけるチーム競技の上位5カ国に出場資格が与えられました。

デュエット競技には、当初18組が出場する予定でした。デュエットの出場資格は、まずチームの出場資格を得た国に自動的に与えられます。ただし、この枠でデュエットに出場する選手は、その国のチームメンバーの中から選ばれる必要がありました。

チームの出場資格を持たない国のために、デュエットのみの出場資格枠も設けられました。これは、各大陸から1組ずつと、2024年世界選手権のデュエット競技における上位3カ国に与えられるものでした。しかし、実際には3つの大陸でデュエットのみの出場枠に空きが生じたため、その空き枠が世界選手権の成績順に再配分され、結果として世界選手権からは上位6カ国にまでデュエットの出場資格が拡大されました。

最終的に、デュエット競技においては、出場予定だったイタリアのペアが棄権したため、実際の出場は17組となりました。

競技進行と採点方式

競技時間は、中央ヨーロッパ夏時間 (UTC+2) に基づいて設定されました。

チーム部門の最終順位は、先に述べたように、テクニカルルーティン、フリールーティン、そして今回追加されたアクロバティックルーティンの3つのルーティンで獲得した得点を合計して決定されました。

一方、デュエット部門では、テクニカルルーティンとフリールーティンの2つのルーティンが実施され、それぞれの得点を合計した総合得点によって最終順位が争われました。選手たちは、これらのルーティンを通じて、技術的な正確さ、芸術的な表現力、そして今回チームに追加されたアクロバティック要素など、多様な要素を駆使して演技を披露しました。

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