2024年パリオリンピックの射撃競技

2024年パリオリンピック 射撃競技

2024年パリオリンピックの射撃競技は、2024年7月27日から8月5日まで、フランス中部のシャトールーにあるフランス国立射撃場で開催されました。当初はパリ郊外での開催が予定されていましたが、IOC理事会の決定により、シャトールーへと開催地が変更されました。

競技種目

競技種目数は前回大会と同様の15種目です。ただし、クレー射撃の混合団体種目がトラップからスキートに変更されました。各種目の詳細は以下の通りです。

ライフル

男女個人50mライフル3姿勢
男女個人10mエアライフル
混合団体10mエアライフル

ピストル

男子個人25mラピッドファイアピストル
女子個人25mピストル
男女個人10mエアピストル
混合団体10mエアピストル

クレー射撃

男女個人トラップ
男女個人スキート
混合団体スキート

出場選手と出場枠

個人種目においては、2022年8月から2024年6月にかけて行われるISSF主催の選手権大会を通じて、各種目25枠、合計300枠の出場枠が与えられます。また、これらの大会で出場権を得られなかった選手のために、オリンピック予選ランキング（QROG）に基づいて各種目1枠の出場権が付与されます。さらに、開催国枠として各種目1名、ユニバーサリティ枠として男女それぞれ8名が加わり、総勢340名が出場枠を獲得します。

混合団体種目は、個人種目ですでに出場権を得ている選手で構成されます。混合団体スキートには、最大18チームがエントリー可能です。

特筆すべき点として、世界ランキングによる出場枠を除き、出場枠はNOC（各国オリンピック委員会）に与えられるため、NOCは出場枠を獲得した選手とは別の選手を派遣することができます。ただし、1つのNOCからは個人種目ごとに最大2名、混合団体種目には最大2チームまでしかエントリーできません。

競技日程

競技は中央ヨーロッパ夏時間（UTC+2）に基づいて行われました。（詳細な日程は省略）

大会形式

すべての種目において、予選の結果は決勝に持ち越されません。競技形式は前回大会のものを踏襲しつつ、一部変更が加えられています。

ライフル・ピストル

10mエアライフル・10mエアピストル

予選では、選手は60発を撃ち、上位8名が決勝に進出します。決勝では、12発目を撃ち終えた時点で8位の選手が脱落し、その後は2発撃つごとに最下位の選手が脱落していく方式で順位が決定されます。1発ごとの満点は10.9点（10mエアピストル予選のみ10点満点）として、0.1点刻みで記録されます。

50mライフル3姿勢

予選では、膝射、伏射、立射の各姿勢で20発ずつ、合計60発を撃ち、上位8名が決勝に進出します。決勝では、膝射15発、伏射15発、立射10発を撃ち終えた時点で7位と8位の選手が脱落し、その後は立射で1発撃つごとに最下位の選手が脱落していく方式で順位が決定されます。1発ごとの満点は10.9点（予選は10点満点）として、0.1点刻みで記録されます。

25mラピッドファイアピストル（男子）

予選では、「8秒射」、「6秒射」、「4秒射」を各20発ずつ、合計60発を撃ち、上位6名が決勝に進出します。決勝は「4秒射」で行われ、9.7点以上に相当する命中1発を1点としてカウントし、4シリーズ（計20発）を終えた時点で最下位の選手が脱落、その後は1シリーズ（5発）ごとに最下位の選手が脱落していく方式で順位が決定されます。予選では1発ごとの満点は10点満点、1点刻みで記録されます。

25mピストル（女子）

予選は「精密射撃」と「速射射撃」を各30発ずつ、合計60発で行われ、上位8名が決勝に進出します。決勝は「速射射撃」で行われ、10.2点以上に相当する命中1発を1点としてカウントし、4シリーズ（計20発）を終えた時点で最下位の選手が脱落、その後は1シリーズ（5発）ごとに最下位の選手が脱落していく方式で順位が決定されます。予選では1発ごとの満点は10点満点、1点刻みで記録されます。

10mエアライフル・10mエアピストル混合団体

予選では、1人30発ずつ合計60発を撃ち、合計得点上位2チームが決勝へ、3位と4位のチームが3位決定戦に進出します。決勝・3位決定戦では、1人1発ずつ計2発の合計得点で勝敗を決定します。同点の場合は両者に1ポイントずつ与えられ、先に16ポイントを獲得したチームが勝利となります。1発ごとの満点は10.9点（10mエアピストル予選のみ10点満点）として、0.1点刻みで記録されます。

クレー射撃

トラップ・スキート

予選は25枚×5ラウンドで125点満点で行われ、上位6名が決勝に進出します。トラップ決勝は25枚終了時点で最下位の選手が脱落し、その後は5枚ごとに最下位の選手が脱落していきます。ただし、1位と2位の決定のみ10枚を追加で競技し、金メダリストを決定します。スキート決勝は20枚終了時点で最下位の選手が脱落し、その後は10枚ごとに最下位の選手が脱落していく方式で順位が決定されます。

スキート混合団体

予選は1人25枚×3ラウンドで150点満点で行われ、合計得点上位2チームが決勝へ、3位と4位のチームが3位決定戦に進出します。決勝・3位決定戦は1人25枚、2人合わせて50点満点で争われます。

大会のハイライト

（競技結果は省略）

混合エアピストルで銀メダルを獲得したトルコのユスフ・ディケチ選手が、多くの選手がゴーグルなどの特別な装備を使用する中で、Tシャツのユニフォームのみで競技に臨んだことが世界的な話題となりました。

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