2024年KADOKAWA・ニコニコ動画へのサイバー攻撃

2024年KADOKAWA・ニコニコ動画へのサイバー攻撃

2024年6月8日、KADOKAWAグループが運営するニコニコ動画及び関連サービスがサイバー攻撃に直面し、大規模なサービス障害が発生しました。この攻撃により、該当するサービスに及ぼされた影響は極めて広範囲にわたりました。

攻撃の経緯

攻撃は、6月8日3時30分頃から確認され、ニコニコ動画を含むKADOKAWAグループの一連のサービスに接続不具合が生じました。ドワンゴは、6時頃に障害が発生している全てのニコニコサービスを一時的に停止。メンテナンスを開始した後、正式に原因をサイバー攻撃であると発表しました。

この攻撃は、ニコニコ動画だけでなく、KADOKAWAの公式サイトやオンラインショッピングサイト「エビテン」にも影響を及ぼしました。また、出版事業や社内業務機能にも支障が出ていることが報告されています。

ランサムウェアとその影響

6月14日、ドワンゴは、KADOKAWAグループの運営するサーバーに対して、ランサムウェアを含む攻撃を受けたことを認めました。特に、ニコニコ動画のサーバーが攻撃を受けた影響で、同社は急遽、全ての電源と通信を物理的に切断する対応を行うに至りました。

この結果、ニコニコプラットフォームの復旧には最低でも1か月以上かかるという見込みが出ており、段階的に機能を復旧させる方針が示されました。ただし、過去に投稿された動画データや関連する決済サービスからの情報漏洩は確認されていませんでした。

サービス再開と仮設サイトの立ち上げ

KADOKAWAグループは、2024年8月5日から新たに「帰ってきたニコニコ」としてサービスを再開することを発表しました。この再開は本来予定されていた次期バージョンのリリースを前倒しで行うもので、多くのサービスが復旧しました。しかし、一部の機能（特にニコニコミュニティ）については復旧が困難で、再開の見込みが立たないことが示されました。

また、ニコニコサービスが再起動されている間、ニコニコ動画（Re:仮）やニコニコ生放送（Re:仮）など、多数の仮設サイトも立ち上げられ、基本的な機能を持ったサービスを提供していました。

KADOKAWAグループ全体への影響

KADOKAWAの出版事業にも大きな影響が及んでいます。受注システムや物流システムの機能停止が起き、編集・制作業務は遅延。また、新たに確認されたデータ漏洩問題も影響を及ぼし、株価の急落を招くなど、同社は様々な方面での対応を余儀なくされました。

総括

2024年のサイバー攻撃は、KADOKAWAグループ全体に深刻な影響を与え、システムの安全性や復旧作業において大きな課題を残しました。日本のサイバーセキュリティの脆弱性が改めて浮き彫りとなり、今後のIT対策や専門家の育成が重要視されています。また、今回の攻撃を教訓とし、企業としてのセキュリティ対策の強化が求められることでしょう。

日本のサイバーセキュリティの現状や、KADOKAWAグループの今後の対応についても、今後の動向に注目が集まります。

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