23時のNHK

23時のNHK：新たなエンターテインメントの幕開け

2002年度から2005年度にかけて、NHKの総合テレビジョンは、毎週月曜日から金曜日の夜11時に放送される特別な番組枠として「23時のNHK」というキャッチフレーズを使用しました。このキャッチフレーズは、主にドラマやエンターテインメントを中心とする番組編成の一環として導入され、若年層の視聴者をターゲットにすることを目的としていました。

23時台の変遷

NHKの23時台は、長い間ニュースや情報番組の時間帯としての地位を確立していました。しかし、2000年3月27日、NHKは22時台に『NHKニュース10』をスタートし、これに伴いドラマやバラエティ番組が21時台および23時台に移動しました。この結果、23時台は特に10代や20〜30代の女性からの人気を集める時間帯となりました。これを受けて、NHKは「深夜のゴールデンタイム」として、視聴者の関心を引く新たな番組を多数編成し始めたのです。

番組の多様性

2000年度からの最初の2年間、NHKは日替わりで5本の番組を提供し、音楽番組、トークショー、ドキュメンタリー、さらには若者向けや海外ドラマなど、多様なコンテンツを放送しました。そして、2002年からは「よるドラ」として知られる夜の連続ドラマを復活させることで、夜間のドラマ枠を強化しました。この新たな番組フォーマットの登場により、23時台の視聴はますます活発になりました。

放送の変化と成果

初めの23:15までの時間帯は「よるドラ」としてドラマが放送され、その後の後半30分は日替わりのバラエティ番組へと変更されました。毎週金曜日には45分間の特別番組が続けられ、視聴者に新たな驚きを提供しました。その一方で、衆議院や参議院の選挙期間中には、政見放送のために一時的に休止や時差編成が行われることもありました。

編成変更と終了

しかし、2006年度からNHKは21時台にワイドニュース枠『ニュースウオッチ9』を復活させるなど、プライムタイムの番組編成を抜本的に改革することを決定しました。これに伴い、23時台のよるドラも2006年3月で終了することが決まりました。この際、既に2006年1月から3月の間には新作が制作されず、再放送のみが行われていました。その後、23時台の番組は日替わりでより集中した編成となり、キャッチコピー「23時のNHK」は再び使用されませんでした。

新たな試み

そして、2022年4月からは、以前の「23時のNHK」の概念を引き継ぎながら、『夜ドラ』と23時台の日替わり番組を組み合わせた「若年層ターゲット枠」が新設されました。この変更は、今後のNHKの番組編成において、再び若年層に訴求する場を設けることを目指していると言えるでしょう。可変的な視聴者ニーズに応えるNHKの取り組みは、ますます多様性を増しています。

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