25 (花澤香菜のアルバム)

花澤香菜の2枚目のオリジナルアルバム『25』は、2014年2月26日にアニプレックスからリリースされました。このアルバムは、花澤香菜自身の内面が深く反映された作品として知られています。タイトルと収録曲数は、彼女の年齢と誕生日に由来しており、そのパーソナルな側面が強調されています。

前作では、各楽曲ごとに作家との打ち合わせが行われていたため、アルバム全体の世界観に統一感が欠けていました。しかし、『25』では、花澤香菜自身の想いをアルバム全体のテーマとして据え、作詞家の岩里祐穂を中心メンバーとして、花澤香菜と岩里祐穂の二人が密に意見を交換しながら制作が進められました。これにより、アルバム全体を通して一貫したテーマと世界観が表現されています。

アルバムに収録された楽曲は、多様な音楽性を示しています。例えば、DISC-1の5曲目「マラソン」は、疾走感あふれるワイルドな楽曲で、制作は歌詞の前半部分を基に行われました。DISC-1の6曲目「YESTERDAY BOYFRIEND」は、4thシングルのカップリング曲「CALL ME EVERYDAY」と同じく西寺郷太が作詞を担当していますが、「CALL ME EVERYDAY」とは異なり、楽曲が完成するまで作詞者の名前が伏せられていました。DISC-1の13曲目「Waltz for Praha」は、タイトルが示すようにプラハをテーマにした楽曲で、後に特典映像の撮影でプラハを訪れた際、その情景が楽曲のイメージと合致していることを実感したと言います。

DISC-2の3曲目「パパ、アイ･ラブ･ユー!!」は、花澤香菜が幼少期に感じた父親との日々をテーマにした楽曲で、歌詞には父親と観た映画や父親が作った料理に関するフレーズが散りばめられています。花澤香菜自身も、全曲の中で最も感動的な楽曲であると語っています。DISC-2の4曲目「Eeny, meeny, miny, moe」は、花澤香菜が17歳の時に共演して以来親交のある浅沼晋太郎が作詞を手掛けており、歌詞には高校時代の友人に関するフレーズが盛り込まれています。DISC-2の5曲目「粉雪」は、花澤香菜自身が北海道の無人駅に立ち寄った際、その情景からインスピレーションを得て歌詞を書き、それを北川勝利に送ったところ、北川勝利が5本のサックスのみを使用したシンプルな編成で楽曲を仕上げました。

アルバムは初回生産限定盤と通常盤の2形態でリリースされ、初回限定盤にはプラハとチェスキークルムロフなどで撮影された撮り下ろし映像を収録したBlu-rayとブックレットが同梱されています。

『25』のリリース後、2014年4月17日から5月6日まで、本アルバムを引っ提げたライブツアー『花澤香菜 live 2014 “25”』が開催されました。4月25日に行われたNHKホール公演の模様は、同年6月29日にMUSIC ON! TVで放送され、同公演を収録したBlu-ray『CHALEUR -Film Documentaire de “25”-』が、花澤香菜の2作目の映像作品として8月27日にアニプレックスから発売されました。

このアルバムは、花澤香菜のアーティストとしての成熟と、彼女自身の内面世界を深く掘り下げた作品として、ファンにとって特別な一枚となっています。

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