2A36 152mmカノン砲

2A36 ギアツィント-B

2A36 ギアツィント-B（ロシア語：2А36 Гиацинт-Б）は、ソビエト連邦によって開発された152mm口径のカノン砲です。この砲は1970年代に、M-46 130mmカノン砲の後継として開発が始まり、1976年から部隊への配備が始まりました。大きな特徴はその長い砲身で、54口径という非常に長い設計がされています。この設計により、敵部隊や固定兵器を高精度で攻撃することが可能となり、特に対砲兵戦においてその効果を発揮します。

開発背景と運用歴

ギアツィント-Bの開発は、1970年代の冷戦時代において進められました。ソビエト軍は、敵の火力に対抗するため、高性能な火砲の必要性が高まっていました。M-46の後継として設計されたこの砲は、長射程と高い破壊力を持つことを目指しており、結果的にそれは成功を収めました。

本砲は自走砲システムとしても運用され、2S5 ギアツィント-Sという形で、他の自走式の火砲と同様の車体に搭載されました。これにより、機動力と射撃精度が大幅に向上しました。

射撃性能と特徴

ギアツィント-Bの主砲は、射程が28,500m（標準榴弾使用時）から33,500m（ロケット補助推進弾使用時）に達します。これは152mm口径の火砲としてはかなりの距離であり、敵の発射地点に対し迅速に反撃を行うことが可能です。発射速度も最大で6発/分、連続射撃時には1発/分という高いパフォーマンスを維持しています。

仰俯角は-2°から+57°まで調整でき、左右の旋回角も各25°可能です。この柔軟な射撃角度により、様々な戦況に対応することができ、特に山岳地帯や都市部でも有効に機能します。運用には8名の要員が必要となり、効率を考慮した設計がされています。

実戦経験

ギアツィント-Bは、ソビエト連邦及びその国々の現役軍により広く使用されています。特にレバノン内戦末期には、イラクから調達されたギアツィントがパレスチナ難民キャンプに対する砲撃に利用されました。他にもアフガニスタン侵攻、イラン・イラク戦争、湾岸戦争、そして近年のナゴルノ・カラバフ紛争などでも使用され、その実戦経験は多数あります。

現在の運用状況

2024年時点での運用状況を見てみると、アゼルバイジャン、ジョージア、モルドバ、トルクメニスタン、ウズベキスタンにおいて現役で運用されています。特にウズベキスタンは140門を保有しているなど、依然としてこの砲の重要性は高いといえます。

結論

2A36 ギアツィント-Bは、長射程を生かした高性能なカノン砲として、ソビエト連邦時代から今日に至るまで多数の戦闘で重要な役割を果たしてきました。現代の戦争においてもその設計は生かされ、新たな地域での運用が続けられています。

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