2S43マルバ 152mm自走榴弾砲

2S43マルバ自走榴弾砲の概要

2S43マルバ（ロシア語：2С43 Мальва）は、ロシアの最新鋭装輪式自走榴弾砲であり、2019年にそのプロジェクトが公表されました。2020年にはアルミヤ2020においてプロトタイプが披露され、注目を集めました。その後、2023年5月にロシア国防省による試験に成功したと報じられました。さらに2022年に始まったウクライナ侵攻では、2S43の初期生産分が実戦に投入され、既に戦線に配備されているとの情報もあります。

この自走榴弾砲は、BAZ-6010-027という8x8トラックを基に設計されており、2S19ムスタ-Sと同様の口径152mmの2A64榴弾砲を搭載しています。最大射程は24.5kmで、発射速度は1分間に7発と高い連射能力を誇ります。また、砲弾の携行能力は最大30発で、迅速な移動と展開が可能です。最高速度は80km/hで、大きな機動力を持っています。さらに、2S43は空輸が可能な設計となっており、様々な戦場環境に適応できる柔軟性があります。

2S43の特徴として、MRSI（Multiple Rounds Simultaneous Impact）能力を備えている点があります。これにより、複数の砲弾をほぼ同時に目標に命中させることができ、高度な戦術的優位を獲得することが可能です。

仕様と性能

基本諸元

• - 種別: 自走榴弾砲
• - 口径: 152mm
• - 砲身長: 47口径長

作動機構

• - 砲尾: 垂直鎖栓式閉鎖機

性能

• - 俯仰角: -3°から+70°
• - 旋回角: 左右30°
• - 最大射程: 24.5km
• - 発射速度: 7発/分

弾薬

• - 弾薬: 分離式装薬
• - 砲弾: 榴弾・RAP弾

2S43はロシアが公式に採用した装輪式自走榴弾砲としては初めてのモデルであり、これまでの自走砲とは異なる新たなアプローチを採用しています。過去には2S35 コアリツィヤ-SV KShが試作されていましたが、実際の運用には至っていません。一方で、2S43の開発と配備はロシア軍にとって重要なステップとなります。

採用国

ロシア以外の国でも注目が集まる中、他国の軍隊にも導入される可能性が期待されています。

結論

2S43マルバはその高い機動性、射程、発射速度を活かし、現代戦闘における大きな力となる可能性を秘めた自走榴弾砲です。これからもその活躍が注目されることでしょう。

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