3・3・SUNフリーきっぷ

3・3・SUNフリーきっぷ：名古屋・近鉄・南海を結ぶ周遊券

3・3・SUNフリーきっぷ（さん・さん・さんふりーきっぷ）は、名古屋鉄道、近畿日本鉄道、南海電気鉄道の3社が共同で提供していた全線乗車券で、一般に周遊券の一種とされています。この切符は1997年に発売され、多くの鉄道ファンや旅行者に利用されてきましたが、残念ながら2006年の夏季をもって販売が終了しました。

切符の名前の由来

その名称は、参加している3つの鉄道会社の「3」と、切符の有効期限が3日間であることを示す「3」、そして初めて発売された季節である夏の日差しをイメージした「SUN」の組み合わせから生まれています。

切符の特徴

この1枚の切符を使えば、大阪や名古屋の間をスムーズに周遊することが可能です。乗車できるのは、南海、近鉄、名鉄の全鉄道線で、葛城索道線は除外されます。利用者はそれぞれの鉄道を3日間乗り放題で楽しむことができました。料金は、中学生以上が5,000円、小学生が2,500円と手ごろな価格設定でした。

切符の有効期間は、乗車開始日から連続3日であり、切符に印刷されたカレンダーの日付に利用者自らが○印を付ける必要があります。乗車の際には駅の係員に日付のスタンプを押してもらう必要がありますが、無人駅や係員不在の駅では降車駅または車掌に申し出る必要があります。なお、自動改札機では利用できないため、利用者は十分に注意する必要がありました。

別途の料金

有料特急列車や特別車両、座席指定席を利用する際は、切符とは別に特急券や座席指定券を購入する必要がありました。また、名鉄とJR東海の直通列車「北アルプス」には名鉄線内のみでの利用では乗ることができず、別途の普通乗車券が必要でした。さらに、利用者には指定された沿線の施設で使える優待割引券が16枚付いているのも魅力の一つでした。

払い戻しについて

払い戻しに関しては、未使用である場合（すでに○印を記入していない場合の前日まで）に限って、発売額から手数料500円が差し引かれる形で対応されていました。

ワイド3・3・SUNフリーきっぷ

この切符の拡張版として「ワイド3・3・SUNフリーきっぷ」も存在していました。これにより、上記の3社の鉄道だけでなく、各グループ会社の交通機関や沿線付近の交通機関、さらにはバスや船舶など24社が利用可能となり、連続3日間の乗り放題が実現されました。岐阜の道の駅まで、豊橋の鉄道バス、奈良交通のバス、さらには南海フェリーによる四国・徳島港へのアクセスも含まれていました。その価格は、中学生以上が6,000円、小学生が3,000円でした。

ワイド版のサービスは、2006年度から提供されなくなりますが、これらの切符は多くの旅行者にとって便利で楽しいものでした。特に、愛知万博が開催された2005年度には利用可能な期間が拡大され、好評を博しました。

歴史的背景

このような共同企画の切符は、1994年に発売された「関空ジョイントきっぷ」が起源となっており、その後1997年から本格的に運用が開始されました。当初は南海、近鉄、名鉄の3社のみでしたが、1999年からは各グループ会社が追加され、利用可能な交通機関は次第に広がりました。結局、2006年にはこれらの切符の発売が終了し、時代の流れとともに姿を消すことになりました。

関連する切符

3・3・SUNフリーきっぷと関連のある切符には、伊勢・鳥羽・志摩スーパーパスポートやまわりゃんせなどがあります。これらも観光や交通の便を提供するための切符として利用されていました。

もう一度検索