30cm NbW 42

30cmネーベルヴェルファー42について



30cmネーベルヴェルファー42（30cm NbW 42）は、第二次世界大戦中にドイツで開発された多連装ロケット発射器です。この発射器はドイツの砲兵部隊である「ネーベルトルッペン」により使用され、アメリカ陸軍の化学部隊に相当する役割を果たしました。一般的に化学部隊は毒ガスや発煙兵器を使用するものですが、ネーベルトルッペンはそれに代わって、戦局に応じた高性能爆薬を投射することが求められました。そのため、ネーベルヴェルファーという名称は、煙幕弾を発射する装置から名付けられたものです。

この部隊は1943年から1945年まで、ノルウェーや北アフリカ戦線を除くすべての戦場で活躍しています。特に東部戦線、イタリア戦線、フランスおよびドイツ防衛戦において、その存在感を示しました。

構造と性能



30cm NbW 42は、6門の発射管を持つ設計で、2つの車輪を備えた砲架に取り付けられています。この発射器は開放式の金属製フレームを利用しており、28/32cmネーベルヴェルファー41発射器と互換性があります。発射されるロケット弾は「30cmヴルフケルパー42シュプレング」と呼ばれており、旋回によって飛行の安定性を得ています。電気点火方式の導入がされており、発射時には目立つ煙や飛翔の跡が残ることが特徴です。

このような特徴により、発射後においては砲兵員が自らの位置を隠すために迅速に移動する必要がありました。発射器は一度に1発のロケット弾を撃ち出せ、一定の時間内に連続して発射することが可能でしたが、単発射撃はできませんでした。また、同じロケットは30cmラケーテンヴェルファー56発射器にも使用されています。

編成と運用



この発射器は、6基の30cm NbW 42を持つ砲兵中隊によって編成されていました。1個大隊あたりには、3つの中隊が組織されており、これらの部隊は独立した発射器連隊や旅団に配属されていました。1943年から1945年にかけて、これらの砲兵ユニットは数多くの戦場で戦い、ドイツ軍の中で重要な役割を果たしています。

脚注と参考文献



この兵器に関する詳細な情報は、以下の参考文献から確認することができます。例えば、Joachim EnglemannとHorst Scheibertによる「Deutsche Artillerie 1934-1945」や、Terry GanderとPeter Chamberlainが著した「Weapons of the Third Reich」などがあります。これらの資料は、ドイツの砲兵や多連装ロケット発射器の歴史を知るために役立つ重要な文献です。

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