3150万秒と、少し

舞台『3150万秒と、少し』

『3150万秒と、少し』は、藤井清美が脚本・演出を手掛けた舞台作品です。2001年のイギリス映画『NEW YEAR'S DAY』を原案としています。

劇団青年劇場の代表作『翼をください』の後継作品として制作され、2005年の東京初演以降、青年劇場によって全国で上演されました。この作品は、同系統の舞台としては異例の反響を呼び、4年間で約300公演を重ね、16万人もの観客を動員する大ヒットとなりました。

あらすじ

物語は、高校2年生の春休み、悠也と直人がクラスの仲間たちと出かけたスキー旅行から始まります。旅行中、突然の雪崩が発生し、教師と生徒10名が命を落とします。生き残ったのは、普段は口をきいたこともない悠也と直人の2人だけでした。

「なぜ自分たちが生き残ってしまったのか…」。誰にも理解されないと感じた2人は、死を覚悟して岬へ向かおうとします。しかし、悠也は直人にある提案をします。「1年だけ待ってほしい。やりたいことがあるんだ。1年間、2人でそれをやろう。そして、やり終えたら一緒に岬で死のう」

直人は戸惑いながらも、悠也の提案した“リスト”に付き合うことになります。その行動には、ある理由が隠されていました。「なぜ友人たちは死ななければならなかったのか」「なぜ自分たちは生き残ったのか」という問いを抱えながら、2人は1年間を過ごし、やがて岬の灯台へと向かいます。

特徴

原作映画にあった「麻薬を打つ」「タバコをやめる」といった描写は、学校公演を考慮して変更されました。また、イギリスの若者と日本の若者では「やりたいこと」が異なるという考えから、藤井清美は全国数百人の高校生を対象に「やりたいことアンケート」を実施し、その結果をもとに脚本を書き上げました。

10代の「生と死」をテーマにした本作は、若い世代を中心に大きな反響を呼びました。「生きる」というテーマを改めて見つめ直すきっかけとなる作品として、高く評価されています。

2013年には、新脚本・新演出による新たな上演が行われました。

2013年版 上演データ

公演日程
2013年2月15日 - 24日：天王洲 銀河劇場
2013年2月27日：梅田芸術劇場 シアタードラマシティ

主な登場人物（2013年版）

悠也
直人
葉子
織田先生
ほか

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