317小隊

『317小隊』（フランス語: La 317ème section、英語: The 317th Platoon）は、1965年に公開されたフランスの白黒戦争映画です。

この映画は、インドシナ戦争末期、北ベトナム軍の猛攻に晒されながらも撤退を余儀なくされたフランス軍の小規模な小隊、第317小隊の過酷な戦いを描いています。映画は、実際の戦闘シーンよりも、極限状態における兵士たちの人間関係や心理状態に焦点を当てています。密林の中を進む小隊の様子を捉え、撤退という困難な状況下での兵士たちの葛藤、恐怖、絶望をリアルに表現しています。

監督は、フランスの映画監督であるピエール・ショエンドルフェールです。ショエンドルフェールは、実際にインドシナ戦争に従軍した経験を持ち、その体験を基に本作を制作しました。そのため、映画には、戦争の現実、特に兵士たちの内面が非常に生々しく描かれています。映画は、戦闘シーンの派手さではなく、人間の感情、特に戦争が人々に与える影響に重点を置いています。小隊の隊長であるウィルスドルフ少尉、そして、先住民の兵士であるアサンといった登場人物を中心に、様々な立場や背景を持つ兵士たちの心情が複雑に絡み合い、物語は進みます。彼らは、共に過酷な状況を生き抜く中で、友情、信頼、そして裏切りといった複雑な感情を抱くようになります。

この映画は、戦争の残酷さ、不条理さを描くだけでなく、人間という存在の本質を深く探求しています。モノクロの映像は、戦争の悲惨さを強調し、観る者に強い印象を与えます。また、役者たちの迫真の演技は、観客を物語の中に引き込み、彼らの苦悩や葛藤を共有させます。

『317小隊』は、戦争映画でありながら、単なるエンターテイメントではなく、人間の心理と、戦争という極限状態における人間の行動を深く考察した作品と言えるでしょう。そのため、公開から長い年月が経った今でも、多くの映画ファンや批評家から高く評価されています。

この映画は、戦争の悲惨さだけでなく、人間の強さ、弱さ、そして複雑さを描いた作品として、後世に語り継がれるべき作品の一つです。

外部リンク

* The 317th Platoon - IMDb（英語）

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