350.org

350.orgの活動概要

350.org（スリーフィフティードットオルグ）は、気候変動への積極的な対策を促進する国際的な環境NGOです。2015年には日本支部も設立され、現在188ヶ国でグローバルに活動を展開しています。本団体は、一般市民やボランティアが中心となって、地球温暖化に対する国際的なムーブメントを形成し、持続可能な未来を創造することを目指しています。

目指すべき目標

350.orgは、具体的な活動指針として「化石燃料を掘り出さない」「お金の流れを変える」「脱炭素社会の構築」を掲げています。これは、化石燃料依存から再生可能エネルギー社会への転換を促進し、気候変動による影響を軽減するための重要なステップとされています。

団体名の「350」は、気候変動の影響を回避するための二酸化炭素濃度の理想値を指しており、これを超えると地球環境が危険な状況に陥るとされています。現在の大気中のCO2濃度は415 ppmに達し、依然として上昇傾向にあります。

主なキャンペーンと活動

350.orgでは、地域や国を超えたさまざまな規模のキャンペーンを展開しています。中でも「化石燃料ダイベストメント」は、化石燃料に関連する企業への投資からの撤退を促進する運動です。これは南アフリカのアパルトヘイトに対する運動の教訓を基に始まったもので、2025年には1600以上の機関が化石燃料からの脱却を約束しています。

また、「キーストーン・パイプライン」に対する活動も注目されています。カナダからアメリカ合衆国への原油輸送パイプラインは環境問題に直結しており、その計画の是非が問われています。350.orgは、このプロジェクトがもたらす環境へのリスクについて繰り返し警告を発し、オバマ大統領の時代には一度、建設計画が却下されましたが、その後の政権交代により再び認可されるも、バイデン大統領の就任後に再び撤回されています。

環境保護に向けた広範な取り組み

350.orgは、世界各地で化石燃料の生産制限や禁止に関する法律の制定をサポートしており、具体的な成果としてブラジルにおける水圧破砕の禁止などが挙げられます。国際的な気候変動アクションデーやグローバルワークパーティーなどのイベントを開催し、気候変動に対する意識を高めています。これらのアクションは、各国での市民参加を促進し、草の根の運動としての重要性を持っています。

波及効果と教育的取り組み

350.orgは、映画「Do The Math」を通じて、気候危機の影響や化石燃料産業への挑戦を描写しています。このドキュメンタリーは、地球温暖化を2度未満に抑えるための数値的な課題を提示し、観衆に状況の深刻さを理解させることを目的としています。

また、創設者であり著名な環境保護者であるビル・マッキベンのリーダーシップの下、数々のデモやキャンペーンを通じて広く認知されています。彼は、エネルギー政策の変更や意識改革を促進しており、350.orgの活動の重要な象徴とされています。

未来に向けての展望

350.orgは、今後も持続可能な社会の構築を目指し、国際的な連携を強化していく方針です。そして、気候変動に対する認識を深め、行動を促すことで、個人や企業、政府の取り組みをさらに進めていくでしょう。私たち一人一人が手を取り合い、行動することが期待されています。

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