36.5℃

アルバム『36.5℃』について

1986年11月12日、中島みゆきの14作目のオリジナルアルバム『36.5℃』（さんじゅうろくてんごどシー）がリリースされました。このアルバムは、彼女の音楽スタイルを引き立てる多彩な楽曲群が収められています。キャッチコピーは「愛が、あぶない」となっており、作品には深い思索が感じられます。

制作背景

アルバムは甲斐バンドのボーカリストでありプロデューサーの甲斐よしひろによって手掛けられました。レコーディングにはスティーヴィー・ワンダーや久石譲といった著名なアーティストも参加しており、充実した音楽的バックアップを得ています。スティーヴィー・ワンダーは先行シングル「あたいの夏休み」で一部関与しましたが、アルバム全体は主に国内で録音されました。アルバムのミキシングとマスタリングはニューヨークで行われ、テッド・ジェンセンがマスタリングを担当しました。加えて、ラリー・アレキサンダーによるミキシングも行われています。

アルバムジャケット

アルバムのジャケットには、中島本人と甲斐よしひろの手が描かれています。このアートワークは、音楽と同様に彼らのクリエイティビティを反映したものとなっています。

リリースとバージョン

『36.5℃』はキャニオン・レコードのAARD-VARKレーベルからLP、CT、CDの3形態で発表されました。2018年にはヤマハミュージックコミュニケーションズから新しいCDがリリースされ、さらに2013年にはデジタルリマスタリングされたCDがクリスタルディスクとして登場しました。

収録曲と楽曲解説

アルバムには多様な楽曲が収録されています。特に注目すべきは、「あたいの夏休み」です。1986年6月にシングルとして発売され、オリコンのシングルチャートで最高14位を記録したこの曲は、アルバムバージョンではイントロがより長く、スティーヴィー・ワンダーのシンセサイザーも際立っています。

「最悪」や「毒をんな」といった楽曲も多くのリスナーに支持されています。そして、「シーサイド・コーポラス」は、中島自身がアコースティック・ギターを弾きながら歌うシンプルな作品で、特に印象的です。これは過去に存在したアパートの名前を借りたもので、彼女が早く発表したかったというエピソードがあります。

また、「やまねこ」はアルバム発表の直後にシングルとしてリリースされ、オリコンチャートで最高43位に輝きました。「見返り美人」は1986年9月にシングルとして発売され、最高18位を記録。この曲は当初、中森明菜に提供される予定でしたが、その計画は頓挫しました。タイトルの変更経緯も興味深いです。

さらに「白鳥の歌が聴こえる」は、後のCDVに収録されるなど、形を変えて多くの人々に愛されています。

演奏者

アルバムのボーカルは中島みゆきが担当しており、その力強い歌声がアルバムの魅力を一層引き立てています。彼女の音楽は聴く者の心に深く響き、まさにその時代を代表する名作となっています。

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