381型レーダーの概要
381型レーダーは、中国で開発された先進的な
3次元レーダーです。このレーダーは、特に防空ミッションに特化しており、輸出名は「シー・イーグル」で、
NATOコードネームは「ライス・スクリーン」として知られています。開発を行ったのは南京船舶雷達研究所の第724研究所で、
1980年代中盤から運用が開始されました。
構造と技術
381型レーダーは、高度な技術を用いて構成されています。その核心技術として、レーダー送信管には
進行波管(TWT)および交差電力増幅管(CFA)が採用されています。また、
アンテナは独特の設計で、
導波管スロット
アンテナを縦に重ねたプレーナアレイ型となっています。垂直方向のスキャンはFRESCAN方式で行われ、水平面では
アンテナの機械的な旋回を用いた走査が行なわれます。特徴的なのは、このレーダーが同時に最多で10個の目標を追尾できる性能を持っていることです。
運用と搭載艦
運用が始まった当初から、381型レーダーは中国の艦船に幅広く搭載されています。具体的には051Z型駆逐艦(旅大I型)や、HQ-61B
艦対空ミサイルシステムと共に053K型フリゲート(江東型)にも搭載されています。さらに、フランス製のクロタル個艦防空ミサイルシステムを模倣したHHQ-7ミサイルシステムが艦隊配備される際にも、このレーダーが使用されています。
しかし、381型レーダーの性能には限界があり、
2000年代に入ると新しい艦隊防空ミサイルシステムを搭載した
ミサイル駆逐艦が就役し始めます。その結果、ロシアのフレガートMAE-5を模倣した382型レーダーが導入され、これも「シー・イーグルS/C」として輸出が行われています。
搭載艦一覧
- - 053K型フリゲート(江東型)
- - 051Z型駆逐艦(旅大I型)
- - 051G2型駆逐艦「珠海」(旅大III型)
- - 051B型駆逐艦(旅海型)
まとめ
381型レーダーは、中国の防空能力を支える重要な装備であり、その技術や設計は多くの艦船に採用されています。防空任務に特化したこのレーダーは、目標追尾能力や艦船への搭載実績から見ても、今なお重要な役割を果たしています。