42アロイ

42アロイ（42Alloy）の詳細解説

42アロイは、主に鉄とニッケルを組み合わせた合金であり、その組成は重量比でニッケルが約42%、鉄が約57%を占めます。微量の銅やマンガンが添加されることもあります。この合金の最大の特徴は、常温付近での熱膨張率が非常に低いことです。金属材料の中で特に熱膨張率が低い部類に入り、硬質ガラスやセラミックスと同程度の熱膨張率を持つことから、これらの材料と組み合わせて使用する際に、熱による膨張率の差から生じるストレスを軽減できます。

電子部品への応用

42アロイの特性を活かした代表的な用途として、ガラス封着を必要とする電子部品の電極材（リード）や、ICリードフレームが挙げられます。これらの部品では、ガラスやセラミックスと金属を高温で接合する必要があり、熱膨張率の差が大きいと接合部分にクラックが生じやすくなります。42アロイを使用することで、このような問題を回避し、部品の信頼性を高めることができます。

封着作業の注意点

42アロイをガラス封着する際には、主に硼珪酸ガラスが用いられます。封着作業時の注意点として、酸化膜の剥離を避けるため予備酸化は行いません。加熱には、高周波加熱や電気炉などが用いられ、1000～1200℃程度の高温で接合を行います。この際、還元炎による加熱は避けるべきです。また、過剰な焼鈍は結晶粒の粗大化を引き起こし、メッキ作業におけるトラブルの原因となるため、適切な温度管理が求められます。

他材料との接合における課題

42アロイは、ガラスやセラミックスとの熱膨張率の差は小さいものの、ガラスエポキシ基板との間では、熱膨張率の差が比較的大きいため注意が必要です。このため、はんだ接合部に応力が集中しやすく、クラックや剥離が生じるリスクがあります。したがって、異なる材料との接合では、設計段階でこれらの点を考慮し、適切な接合方法や構造を選択する必要があります。

まとめ

42アロイは、その低い熱膨張率という特性から、ガラス封着を必要とする電子部品において重要な役割を担っています。適切な取り扱いと注意を払うことで、その優れた性能を最大限に引き出すことができます。

関連項目

* インバー

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