5五将棋

5五将棋：コンパクトで奥深い将棋の変則ルール

5五将棋は、標準的な将棋をコンパクトにアレンジした、二人対戦のボードゲームです。1970年、楠本茂信氏によって考案された比較的新しい将棋でありながら、そのシンプルさと奥深さから、近年人気が高まっています。

ルール概要

5五将棋は、縦5マス×横5マスの小さな盤面を使用します。駒の種類とそれぞれの動きは通常の将棋とほぼ同じですが、盤面が小さいため、戦略的な駆け引きがより重要になります。敵陣は盤面の最終列のみと、通常の将棋と異なる点が挙げられます。

また、5五将棋では「千日手は後手勝ち」というルールが採用されることも多く、ゲーム展開に独特の要素を加えています。千日手とは、全く同じ局面が繰り返される状況のことです。このルールがあることで、後手プレイヤーは千日手を意識した戦略を立てる必要があり、ゲームの戦略的な深みが増します。

5五将棋を取り巻く状況

5五将棋は、様々な形で親しまれています。宝島社から発売された『ウルトラマン将棋』、『ゲゲゲの鬼太郎将棋』、『仮面ライダー将棋』といった製品は、5五将棋のルールを採用しており、これらを通じて多くの人が5五将棋に触れる機会を得ました。これらの製品は、日本5五将棋連盟や日本女子プロ将棋協会の監修のもとで制作されており、5五将棋の普及に貢献しています。

さらに、2021年には森内俊之九段監修のもと、幻冬舎から新しい5五将棋のゲームが発売されました。このゲームは、従来の5五将棋のルールをベースとしながらも、ついたてを用いた独自の要素を取り入れています。駒にポイント数を設定し、一定のポイント内であれば駒の選択や配置を自由にできるという変則ルールも加わっており、より戦略的なプレイが可能です。

コンピュータソフトによる自己対戦の結果からは、「千日手後手勝ち」ルールを採用した場合、後手プレイヤーが有利となる傾向があることが示唆されています。これは、後手プレイヤーが千日手を意識した戦略を取りやすいこと、また盤面の小ささから、後手プレイヤーがより積極的に攻めやすいことが要因として考えられます。

関連ゲーム

5五将棋は、他のコンパクト将棋の開発にも影響を与えています。例えば、南雲夏彦氏が1980年に考案した3三将棋は、5五将棋に触発されて生まれたと言われています。

まとめ

5五将棋は、通常の将棋をより手軽に、そして戦略的に楽しめる変則将棋です。コンパクトな盤面と独自のルールが、短い時間ながらも深い思考を促す、魅力的なゲームとなっています。製品化やソフトウェア開発、大会開催などを通して、その人気はますます広がりを見せています。将棋ファンはもちろんのこと、ボードゲーム初心者にもおすすめできる、奥深いゲームと言えるでしょう。

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