500.com

500.comの概要

500.com（500ドットコム）は中国の宝くじ販売会社で、広東省深圳市に本社を構えています。設立は2001年で、設立当初はサッカーくじ関連のソフトウェアを開発・販売する企業としてスタートしました。しかし、その後中国国内のインターネットの発展を受けて、宝くじのオンライン販売にも力を入れるようになりました。

成長と飛躍

2012年のこと、500.comは中華人民共和国財政部から唯一の民間オンラインスポーツくじ代理販売業者として認証され、これが同社の成長の大きなターニングポイントとなりました。この認証後、500.comは中国国内で急激に人気を集め、さらなる成長を遂げることとなります。

2013年11月22日にはニューヨーク証券取引所に上場し、初日の株価は短期間でほぼ3倍になるという驚異的な成長を見せました。2014年第2四半期の売上高は20.93億人民元に達し、深圳市内のインターネット企業の中ではテンセントに続く2位に位置しました。

不正賭博と規制

しかし、2014年のブラジルサッカーワールドカップ期間中、中国国内ではインターネットを通じた不正賭博が急増し、それに伴い中国財政部はオンライン宝くじの販売を禁止する措置を講じることになりました。この禁止令により、500.comはその主要なビジネスを失い、株価は急落しました。さらに、2015年2月には主要業務の停止を発表し、品行方正さに疑問符が付く事態となりました。

紫光国際が2015年6月に同社の最大株主となるも、経営状態は好転せず、2018年までには累計で8.44億人民元の赤字を計上する羽目になりました。2018年のロシアサッカーW杯で売上の回復を試み、天津市のショッピングモールに宝くじ販売機器を設置しましたが、経営状況は依然として厳しいものでした。

日本での汚職問題

同社は2019年12月、日本のIR事業に参入する過程で、国会議員に賄賂を送ったとして、日本法人の元役員らが逮捕される事態に発展しました。この事件により、同年12月30日には代表取締役が辞任し、CEOが職務停止となるなど、経営陣に激震が走りました。その後2020年2月、東京地検特捜部は元国会議員を追起訴し、同年10月には贈賄罪で判決が下されました。

2021年には日本法人の元役員にも重い判決が言い渡され、この問題はさらなる注目を集めました。さらに2024年にはアメリカ合衆国司法省が日本のIR事業を巡る汚職事件に関連して元CEOを起訴しました。起訴状には、国会議員に賄賂を渡した具体的な金額も記されており、企業としての倫理観が問われています。

今後の展望

500.comは過去の栄華を取り戻すためには、経営戦略の見直しが必須であり、コンプライアンスの強化が不可欠です。オンライン宝くじ事業の健全な発展のためには、法律と倫理の厳守が企業の未来を握っています。今後の展開に注目が集まります。

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