63式107mmロケット砲

63式107mmロケット砲概説

63式107mmロケット砲（中国語: 63式107毫米火箭炮）は、中華人民共和国が開発した牽引式の多連装ロケットランチャーです。1960年代から開発が進められ、1963年に中国人民解放軍に正式に採用されました。このロケット砲は、その軽量な設計と扱いやすさから、多くの部隊で利用されている一方、命中精度や射程に関しては一部課題も抱えています。

開発背景

63式ロケット砲の開発は、1960年代に始まりました。当初は、軽量で操作が簡単な火器を求める声に応える形で進められ、最終的には中国人民解放軍の日常的な火力支援に取り入れられることになりました。本砲は、特に歩兵連隊に配備され、当初はその存在感を示していましたが、1990年代後半から退役が進行しつつも、現在では特殊部隊や空挺部隊での使用が見られます。

概要

63式107mmロケット砲は、12連装式の構造で、4本のチューブが3段重ねられた形状をしています。火器の発射角度は手動で調整可能で、牽引時には特製の脚が折りたたまれます。ロケットはスピン安定式を採用し、弾頭には主に榴弾が使用されるほか、白燐弾も存在します。

諸元・性能

• - 種別: ロケット砲
• - 口径: 107mm
• - 重量: 385kg（本体のみ）、613kg（弾装填時）
• - 全長: 2.6m（牽引時）
• - 全幅: 1.4m
• - 全高: 1.1m
• - 砲員数: 5名
• - 俯仰角: 0°〜80°
• - 旋回角: 36°
• - 最大射程: 8,000m
• - 発射速度: 7〜9秒（12発同時発射）
• - 再装填時間: 3分

派生型

63式107mmロケット砲には、さまざまな派生型があります。基本型の63式のほかに特定部隊向けに設計された63-I式や、特殊部隊用の85式、自走ロケット砲の81式など多岐にわたるバリエーションが存在し、特に地形や任務に応じた特製が施されています。

採用国

63式ロケット砲は、多くの国で採用されています。特にアフリカ、中東、南アジアなどの地域で幅広く使用されており、アフガニスタン、イラン、シリア、ベトナムなど、多くの国の軍隊でも見られます。特に、ベトナム戦争やアフガニスタン侵攻においては、非正規軍による利用も多く、その影響力は広がっています。

影響と現在

63式107mmロケット砲は、その運用の簡便さと手頃なサイズから、過去数十年にわたってさまざまな地域で使用されていますが、現在では新しい兵器や技術の進展から、次第にその役割は見直されつつあります。それでもなお、特定の作戦や条件下での効果的な火力支援手段としての地位を保ち続けています。

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