666 (HYDEのアルバム)

アルバム『666』概要

HYDEのセカンドアルバム『666』は、日本のロック界で影響力を持つL'Arc〜en〜CielのボーカリストHYDEによる作品です。このアルバムは2003年12月3日にリリースされ、HYDE自身のレーベルHAUNTED RECORDSから発売されました。前作『ROENTGEN』から約1年9ヶ月の歳月を経て、彼が新たに届ける音楽は、聴く者を圧倒する迫力と表現力を持っています。

アルバムの収録曲と背景

『666』は、全10曲が収められており、その中にはシングルとして先行リリースされた「HELLO」と「HORIZON」が含まれています。このアルバムは、HYDEがライブでのパフォーマンスを意識して制作を始めた結果、ハードロックやゴシックロックの要素を取り入れながらも、彼特有のメロディアスさを失わない仕上がりになっています。

制作にあたっては、ブライアン・ガードナーによるマスタリングが行われ、彼はリンキン・パークやアウトキャストの制作にも携わっている著名なエンジニアです。これにより、アルバム全体の音質はさらに洗練され、広がりを持ったサウンドになりました。

当時、HYDEはライブ活動に重きを置きたくなっており、過去の活動方針を見直しました。彼は「ROENTGEN」リリース後のインタビューで、「もっと激しい音楽をやりたい」と語っており、それが今回のアルバム制作に影響を与えています。

制作過程と音楽性

『666』のレコーディングは2002年9月から始まりました。HYDEは、K.A.Zとの共同プロデュース体制を敷くことで、より柔軟なアプローチを取り入れることができました。HYDE自身はギタリストとしても参加し、楽曲のアレンジにおいてもK.A.Zと緊密に連携しました。このタッグは、前作のセルフプロデュースとは一線を画し、HYDEは楽曲の全体像を把握した上でデモを作成し、K.A.Zにアレンジを託するスタイルを取ったことで、新たな表現が生まれました。

また、HIROKI（ベース）やFURUTON（ドラム）といったアーティストも参加し、互いにすぐに理解し合えるアットホームな雰囲気の中でレコーディングが進められました。これにより、ハードなサウンドを基盤にしながらも、親しみやすい音楽性が実現したのです。

アルバムタイトルの意味

アルバムのタイトル『666』は、新約聖書の「ヨハネの黙示録」に登場する獣の数字を引用したもので、HYDEのホラー映画への愛好を暗示しています。この数字は、ホラー作品に頻繁に登場することもあり、HYDEの個性を強調するものになっています。HYDE自身は、このタイトルが音楽性とは関係なく、自分の好みから選ばれたものであると語っているのも興味深い点です。

リリースと評価

『666』は初回限定盤と通常盤の2形態で発売され、初回盤には「HELLO」と「HORIZON」のミュージックビデオが収録されたDVDが含まれています。リリース直後から多くの音楽ファンの注目を集め、批評家からはその音楽性の変化に対して高い評価が寄せられました。特に、音楽ライターの森朋之は「00年代ロックシーンの中心に位置した」と評し、土屋京輔も新たなアプローチを称賛しています。

アルバムはオリコン週間アルバムチャートにおいて、リリース初週で2位を記録し、その人気を証明しました。HYDEの成長と挑戦が色濃く反映されたこのアルバムは、彼のソロアーティストとしてのキャリアの重要な一歩となったと言えるでしょう。

まとめ

HYDEの『666』は、ハードロックの要素を取り入れた高い音楽性を持ちながら、個性的なメロディを大切にした作品です。このアルバムを通じて、彼は自身の音楽の幅を広げ、ファンに新たな一面を見せることができました。彼の挑戦的な姿勢と深い音楽性は、多くの人々に影響を与え続けています。

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