69式空対空誘導弾

69式空対空誘導弾（AAM-1）

69式空対空誘導弾、別名AAM-1は、日本の航空自衛隊によって装備された国産の空対空ミサイルです。三菱重工業が製造するこのミサイルは、日本初の本格的な自主開発型ミサイルとして、重要な地位を占めています。以下に、その開発経緯と特徴について詳しく説明します。

開発の背景

69式空対空誘導弾の開発は、航空自衛隊がアメリカからAIM-9Bサイドワインダーを取得し、これをF-104戦闘機に搭載していたことからスタートしました。一方、日本国内でも防衛技術の向上を目指し、技術研究所が昭和31年度から空対空ミサイルの研究と部分的な試作を始めています。昭和36年度には航空自衛隊の要求をもとに、AIM-9Bと同等の性能を備えた赤外線追尾方式のミサイルの開発を決定しました。そして、これが69式空対空誘導弾になります。

開発プロセス

昭和37年度から試験用ミサイルの製作が開始され、1963年7月には目標に向けた地上発射試験が新島試験場で成功を収めました。これを受け、昭和40年度には基本要目が定められ、1965年にはF-86Fによる空中発射試験が実施されました。さらに、1966年7月からは38発を用いた総合性能確認試験が行われ、昭和42年度には実用試験を経て、1969年に制式化されました。

量産と性能

航空自衛隊では、69式空対空誘導弾と共にAIM-9Bを装備しましたが、前者の信頼性に問題があったため、最初の量産契約で終止し、量産は早期に打ち切られました。そのため、AAM-1の単価は初年度で約350万円、次年度には約419万円と高額化しました。一方、AIM-9Bの単価は約100万円であったため、コスト面でも課題が残る結果となりました。

結論

69式空対空誘導弾は、日本における空対空ミサイルの自主開発の重要な一歩を示すもので、さまざまな技術や手法が後のミサイル開発に影響を与えています。今後の航空自衛隊における防衛技術の進展にも寄与することでしょう。

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