73式特大型セミトレーラ

73式特大型セミトレーラ

73式特大型セミトレーラ（ななさんしきとくおおがたセミトレーラ）は、陸上自衛隊の戦車輸送専用に設計されたトレーラーです。その主な役割は、74式戦車などの大型戦車を駐屯地から演習場へと運搬することです。1973年に制式化され、最大積載量は40トン、全長は11.32メートル、全幅は3.29メートルで、そのために設計された専用のトレーラーです。

構造と性能

このトレーラーは、東急車輛（現：東邦車輛）によって製造されており、基本的には同社のTL型低床式セミトレーラーがベースとなっています。73式特大型セミトレーラは、総重量が約47,900キロに達し、74式戦車（約38トン）を安全に運搬できるようになっています。トレーラーには、着脱式のローディングランプが装備されており、戦車を積載する際に活用されます。

トレーラーを牽引する車両には、74式特大型トラックが用いられています。このトラックは、三菱ふそうのスーパーグレートを基にしており、特に全輪駆動化によりホイールベースが700ミリメートル以上延長されています。このため、標準の民間牽引車よりも大型化しています。前方の照明はバンパーに埋め込まれた4灯の角型ライトが使われており、通常のウインカーと併せて安全性が高められています。

他車両との連携

さらに、73式特大型セミトレーラは、74式戦車よりも重い90式戦車も運搬可能です。ただし、90式戦車はそのままでは最大積載量を超えてしまうため、運搬時には車体と砲塔を分割して搭載する必要があります。また、10式戦車（全備重量約44トン）の場合、特大型セミトレーラが利用される際には、装甲の一部を取り外すことで最大積載量に収めることができます。このようにして、73式特大型セミトレーラは様々な戦車の運搬に適応しています。

公道での走行規制

73式特大型セミトレーラは、公道を走行する際に車両制限令に従い、夜間には先導車を伴って移動する必要があります。これは、大型トレーラーが公道を安全に運行するために設けられたルールです。これにより、周囲の交通への影響を最小限に抑えつつ、重要な輸送任務を遂行しています。

結論

73式特大型セミトレーラは、陸上自衛隊にとって非常に重要な装備であり、その設計と性能は、任務遂行に必要な特別な要件を満たしています。将来的にも、このトレーラーは、自衛隊の戦車輸送における重要な役割を果たし続けるでしょう。

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