74門艦

74門艦の歴史と特徴

74門艦は、18世紀中頃にフランス海軍で発展した2層戦列艦で、名の通り74門の砲を搭載しています。強力な火力と優れた帆走性能のバランスが評価され、特にイギリス海軍を始めとする多くのヨーロッパ諸国で建造されました。これらの艦は海戦の主力として君臨しましたが、次第に新たな技術の進歩によりその役割は diminishedしました。

74門艦の特徴

74門艦は、ルイ15世の時代にフランス海軍が再建される中で生まれました。この艦は、従来の艦船が持つ3層艦の36ポンド砲よりも巨大な火力を持ち、当時の他の艦船と比較しても比類のない性能を誇ります。具体的には、28門の32ポンド砲または36ポンド砲を下段に、28門または30門の18ポンド砲を上段に、さらに18門または16門の9ポンド砲を船首楼や後甲板に搭載することができました。過去の2層艦よりもやや高価でしたが、その火力と性能は、新たな艦船のスタンダードとなるに足るものでした。

一般的に乗員は500名から750名程度で、必要に応じて変動しました。特にイギリス海軍では相対的に少人数で運用されました。この艦船の水線長は最大55メートルに達し、当時の技術的限界に近い大型木造艦であるといえます。

技術的な問題と衰退

構造上、74門艦にはサギング（船体の湾曲）という問題が存在しました。これは時間が経つと船体が外的な力で変形する現象で、補修は可能ですが、経済的な負担が大きかったです。このため、74門艦の後に計画された2層80門艦はあまり普及しませんでした。

18世紀後半から19世紀初頭にかけて、イギリス海軍はオーストリア継承戦争や七年戦争の最中、いくつかの74門艦を捕獲しました。その中でも特に「インヴィンシブル」は第一次フィニステレ岬の海戦においてつかまった艦として有名です。これにより、廻りの国々は急速に74門艦の建造に乗り出しました。

ただし、浅海の国々、たとえばオランダや北欧諸国では、艦船の喫水制限が影響し、より小型の2層艦を好む傾向が見受けられました。それにも関わらず、19世紀初頭には74門艦は多くのヨーロッパ海軍で標準的な艦種となりました。建国初期のアメリカ海軍でも、74門艦はあまり建造されなかったため、非常に限られた数となっています。

技術の進歩と最後の74門艦

ナポレオン戦争後、造船技術は大きく進歩しました。これにより、より高い剛性を持つ2層84門艦や90門艦が建造できるようになり、74門艦は次第にその役割を失っていきました。最後の74門艦である「デュゲトルーアン」はトラファルガーの海戦に参加したものの、1949年に自沈しました。その船尾装飾は現在グリニッジの博物館に保管されています。

74門艦のモデルは多くが保存されており、それらは実艦の特長や内部構造を正確に再現していると考えられています。これにより、74門艦はその歴史的意義を後世に伝える重要な存在となっています。

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