75式探信儀 OQS-101

75式探信儀 OQS-101

75式探信儀 OQS-101は、日本の防衛装備庁に属する技術研究本部によって開発された高性能のソナー装置です。この探信儀は、アメリカ製のAN/SQS-26|AN_SQS-26と同等の性能を有しつつも、非常に重い装備であったため、特定の艦船、すなわちしらね型護衛艦の2隻にのみ搭載されているのが特徴です。

開発の経緯

OQS-101の開発は、昭和37年度から始まりました。最初は遠距離探信装置T-101の名前で進められ、研究と試作が昭和39年から40年の間に行われました。続いて、昭和41年から43年には、さらなる試作と技術試験が実施され、昭和44年に正式な技術試験を受けています。

これらの試験を経て、昭和45年と46年には、「ありあけ」という護衛艦に試作機を搭載し、実用試験が重ねられました。特に、大型のソナーは直径5メートルに達し、このため艦全体が5.5メートル長く、排水量も230トン増加しました。そのため、消費電力も増大し、225キロワットのディーゼル発電機の搭載が必要となるなど、大規模な改修が行われました。これらの工事には約1年かけられ、その結果、OQS-101は昭和49年度に制式化されました。

設計の特徴

OQS-101は、送受波器としてランジュバン型振動子を使用し、合計288個のS−16型（XS-16）送受波器が搭載されています。これらの送受波器は、48本のステーブに配置され、それぞれに6個が取り付けられています。特筆すべきは、このソナーが日本初の収束帯（CZ）や海底反跳（ボトム・バウンス、BB）を用いた長距離探知機能を備えている点です。

開発当初、艦の動揺による影響を軽減するための動揺修正装置が組み込まれていましたが、実際にはその機械音が逆に探知性能を低下させる要因となったため、最終的にこの装置は撤去されました。また、低周波発振時に発生する振動によるキャビテーションの影響を軽減するために設置された脱気器も効果が見られず、こちらも取り去られました。

操作系については、指示器として扇形走査指示器（SSI）やLFM（線形周波数変調）信号、相関処理、自動利得制御（AGC）、ターゲットドップラーインジケーター（TDI）などの先進的な技術が採用されています。

さらに、高い探査能力を有するOQS-101は、対潜情報処理装置（ASW Direction System, ASWDS）とも連携可能で、より高度な探知能力を実現しています。なお、その高性能な故に、OQS-101は非常に重く、3,000トン級の護衛艦に搭載する際には、艦の基準排水量の約5％を占めることが懸念されるため、特別な配慮が必要でした。このため、75式探信儀は、しらね型護衛艦にのみ集中して設置されることとなり、結局はるな型護衛艦への装備は実現しませんでした。

結論

総じて、75式探信儀 OQS-101は、当時の日本の海上自衛隊にとって極めて重要な防衛装置であり、その高い性能と技術革新によって、新たな海上戦力を支える役割を果たしました。

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