777 (クレイジーケンバンドのアルバム)

クレイジーケンバンドが発表した通算5作目のオリジナルアルバム、『777』（なな なな なな）は、2003年6月25日にAlmond Eyesから世に送り出されました。この作品は、彼らの音楽的な幅広さと実験精神を示す、バラエティ豊かな楽曲群で構成されています。

本作には、短いアイキャッチを含む全18トラックが収録されています。多くの楽曲で作詞・作曲を手がけたのはバンドのフロントマンである横山剣氏ですが、一部の楽曲では異なるクリエイターが重要な役割を果たしています。

アルバムの幕開けを飾る「7時77分」は、ウスイヒロシ氏がミュージックビデオの監督を務めた楽曲の一つです。続く「BRAND NEW HONDA」や、これもウスイヒロシ氏監督によるMVが存在する「I LIKE SUSHI」など、CKBらしいグルーヴ感あふれるナンバーが並びます。パワフルなタイトルを持つ「爆発!ナナハン娘」や、叙情的なムードを醸し出す「赤と黒」も収録されています。

アルバムのユニークな要素として、「eye catch」と題された短いサウンドスケッチが複数挿入されています。「eye catch/世界にひとつのCKB」、「eye catch/あなたとわたしのCKB」、「eye catch/The Sound of Yokohama Yokosuka」、「eye catch/Let's Go CKB」といったこれらのトラックは、アルバム全体の流れにアクセントを加えています。

ゲストアーティストを迎えた楽曲も特筆すべき点です。「夜のヴィブラート」では、ヒップホップグループのRHYMESTERが参加しており、彼らのラップとCKBのサウンドが融合した独自の世界観を展開しています。この曲には、坂間大介氏、佐々木士郎氏、そして横山剣音楽事務所が作詞に名を連ねています。また、「夜のヴィブラートKQ仕様」と題されたバージョンも収録されています。

インストゥルメンタル曲も収録されており、小野瀬雅生氏が作曲した「私立探偵マヒマヒ」は、彼のギターワークが光る一曲と言えるでしょう。

カバー曲としては、韓国のロックミュージシャンである申重鉉（シン・ジュンヒョン）氏の楽曲をカバーした「美人（ミイン）」が収録されています。作詞・作曲ともに申重鉉氏によるものであり、原曲の魅力をCKB流に表現しています。

アルバム終盤には、新宮虎児氏が作詞・作曲を手がけた短い楽曲「ボサボサノヴァノヴァ」や、「真夜中のストレンジャー」、「涙のイタリアン・ツイスト」、「Surf Side 69」、「パナールの島」、「金龍酒家」、「横顔」といった、情景豊かな楽曲が続きます。

また、本作には6thシングルとしてリリースされた「あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ。」の、Sunaga t Experienceによるリミックスバージョンが収められています。このバージョンもウスイヒロシ氏がMV監督を務めています。

『777』は、多岐にわたる音楽スタイルを取り入れ、メンバーや外部クリエイターとのコラボレーションも積極的に行った、クレイジーケンバンドの創造性が凝縮された作品と言えるでしょう。アルバムには横山剣氏自身による全曲解説への外部リンクも関連情報として示されています。

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