78式戦車回収車

78式戦車回収車の詳細

78式戦車回収車（ななはちしきせんしゃかいしゅうしゃ）は、陸上自衛隊が運用する特別な車両で、74式[[戦車]]の車体を基に開発されました。この車両は、戦後時代の国産戦車回収車の二番目のタイプとして位置付けられており、1978年に制式採用されました。

開発の経緯と用途

74式[[戦車]]の導入に伴い、回収作業を効率的に行うために設計された78式戦車回収車は、約50両が生産されました。技術研究本部が開発し、製造は三菱重工業が担当しました。この回収車は、後方支援部隊や武器学校などさまざまな部隊に配備されています。

78式戦車回収車は、74式[[戦車]]よりも重い90式[[戦車]]を回収するには能力が不足しており、そのため90式[[戦車]]を元にした専用の回収車両が開発されています。

特に注目すべきは、2011年の東北地方太平洋沖地震における福島第一原子力発電所の事故対応での運用です。この際、障害物の除去のために74式[[戦車]]2両とともに78式戦車回収車が派遣されましたが、実際の作業には遠隔操作の重機が使用され、78式は待機のまま撤収しました。また、他の車両、例えば99式自走155mmりゅう弾砲や87式自走高射機関砲などとも互換性があり、さまざまな支援に対応できる汎用性があります。

仕様と機能

78式戦車回収車の特徴は、車体前部右側に設置されたブームクレーンや、左側に戦闘室が配置されている点です。戦闘室の天面には自衛用の12.7mm重機関銃が装備されており、前面には74式60mm発煙弾発射筒が取り付けられています。また、車両の前面下部にはドーザープレートがあり、作業時に車体を安定させる役割を果たします。

クレーンの吊り上げ能力は20トン、ウインチは38トンと、強力な作業能力を誇っています。エンジンデッキの上にあるスペースには予備の機材や故障した車両のパワーパックを運ぶことができ、便利な機能を持っています。

この車両は油気圧式懸架装置を使っており、作業の際には車高を下げることで重心が低くなり、安定した作業が可能です。また、6速セミオートマチックの変速装置を備え、特に一速と後退への変速時にクラッチを使用します。

文化的な影響

78式戦車回収車は、映画や漫画などの作品にも登場しています。例えば、映画『ゴジラ』では、晴海埠頭での陸上自衛隊部隊の集結シーンに出現し、ゲーム『ゴジラ〜列島震撼〜』でも修理ユニットとしてその姿が使用されています。また、漫画『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』にも登場しています。

78式戦車回収車は、陸上自衛隊の重要な支援機能を持つ車両であり、その活動は多岐にわたります。技術的な特性や運用実績を通じて、日本の防衛の最前線で重要な役割を果たしていることが理解できます。

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