80デイズ

映画『80デイズ』の概要

『80デイズ』（原題：Around the World in 80 Days）は、2004年に公開されたアメリカ映画であり、1956年の映画『八十日間世界一周』をリメイクした作品です。本作はジャッキー・チェンを主演に迎え、イギリスの著名なコメディ俳優スティーブ・クーガン、そしてアーノルド・シュワルツェネッガーもカメオ出演しています。この映画は、約120億円という巨額の製作費をかけ、最先端のコンピュータグラフィックスを駆使しながら、世界の10か国でのロケを行うという大規模なプロジェクトでした。

しかし、興行的、批評的に見ると、オリジナルの映画ほどの評価を得ることはできませんでした。特に、第25回ゴールデンラズベリー賞では、最低助演男優賞（アーノルド・シュワルツェネッガー）や最低リメイク及び続編賞の2部門にノミネートされる結果となり、米ニュース専門放送局が選ぶ「最悪のリメイク映画ワースト20」では11位にランクインするなど、厳しい評価を受けてしまいました。

ストーリー概要

物語は19世紀のイギリスを舞台に、発明家のフィリアス・フォッグが主人公です。彼は常に新しい実験に挑戦しており、執事にも無理な協力を強いられることが多く、ついには愛想を尽かされてしまいます。しかし、ある日、彼の屋敷の庭に、中国から来た男ラウ・シンが落ちてきます。ラウは故郷の村から盗まれた秘宝を取り返すために、盗賊を追ってイギリスにやってきたのです。彼は偽名「パスパルトゥー」を名乗り、フォッグの執事として雇われることになります。

そんな中、英国科学アカデミーの会合で、フォッグは科学大臣ケルヴィン卿に賭けを挑まれます。それは「80日間で世界を一周する」というもので、成功すればケルヴィン卿から科学大臣の座を奪えるものの、失敗すればアカデミーから永久追放されてしまうという厳しいものです。勢いで賭けに乗ってしまったフォッグは悩むものの、パスパルトゥーの励ましを受けて旅立つ決意をします。

フォッグの旅には、画家志望の女性モニク・ラ・ローシュも同行し、一行は次々と冒険を繰り広げます。しかし、ケルヴィン卿の妨害工作や、パスパルトゥーを追う盗賊団の襲撃といった困難が待ち受けています。

キャストと制作の背景

ジャッキー・チェンは、以前『ラッシュアワー』や『シャンハイ・ヌーン』でアメリカ市場でも成功を収めましたが、『80デイズ』の出来には不満を表明し、「リメイク作品はもうたくさん」とまで言っています。さらに、後に『ピンクパンサー』の出演要請があった際には、これを断っているというエピソードもあります。このように、本作はジャッキー映画にとって特別な意味を持つ作品となりました。なお、エンディングには通常のエンディングで見られるNG集は収録されていません。

音楽

主題歌は「It's a Small World」で、ブレイク前の倖田來未が歌っていますが、劇中では使用されず、パンフレットなどに名前が記載されているだけの状態です。彼女のアルバムには収録されていますが、映画自体には織り込まれていないため、ファンからは物足りなさを感じる声もあったようです。

このように『80デイズ』は、華やかなキャストと大規模な制作にもかかわらず、評価が分かれる作品となりました。それでも、物語の冒険譚やキャラクターの魅力は、多くの視聴者にとって楽しめる要素となることでしょう。

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