91式携帯地対空誘導弾

91式携帯地対空誘導弾

91式携帯地対空誘導弾（SAM-2）は、日本の防衛省技術研究本部と東芝が共同開発した国産の携帯式防空ミサイルシステムです。このシステムは1991年に制式採用され、主に陸上自衛隊の普通科、機甲科、および特科部隊に配備されています。基礎技術は1979年から研究が始まり、1987年からは試作段階に移行しました。更に、航空自衛隊と海上[[自衛隊]]にも配備が行われ、これによって基地防空の能力が向上しています。

このミサイルは、アメリカ製のFIM-92スティンガーの後継機という位置づけで、簡便に扱える一方で、高性能な対空防御能力を発揮します。特筆すべきはそのハイブリッド型誘導方式です。通常の赤外線パッシブ誘導に加え、可視光イメージ誘導を併用しており、CCDカメラによる画像認識により、目標を目撃してから追尾することが可能です。これにより、敵機からの妨害があっても高い精度での発射が実現します。

ミサイルは、発射後に展開する小型の翼を用いて姿勢を制御し、衛星操縦による安定したミサイル性能を確保します。推進に関しては、二段式の固体燃料ロケットを採用しており、距離的な安全を考慮した設計になっています。さらに、このミサイルには自爆機能が付いており、一定の設定時間で作動する信管が備わっています。

SAM-2は、特に低空目標に対する強化された対処能力と、夜間戦闘においても高い性能を発揮します。2007年度からは進化型のSAM-2Bの調達も始まり、これにより夜間の運用能力や、煙が少ない推進薬の使用による運用の効率化が進められました。この新型は、開発に約26億円を投じ、93式近距離地対空誘導弾との共用性試験も行われています。

91式携帯地対空誘導弾は、漫画や小説などのフィクション作品でも登場し、特に自衛隊の装備品としてのイメージを強めています。たとえば、『空母いぶき』では特殊作戦群による反撃手段として、また『ジパング』では架空のイージス護衛艦に装備され、作品内で実用されるシーンが描かれています。

このように、91式携帯地対空誘導弾は、自衛隊の防空能力を支える重要な装備であり、日本の戦略において不可欠な役割を果たす存在です。今後もその運用能力や技術の向上が期待されます。

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