A Short Hike

『A Short Hike』について

『A Short Hike』は、カナダの独立系ゲームスタジオadamgryuが手がけたアクションアドベンチャーゲームです。本作は、鳥の少女クレアが自然豊かなホークピーク州立公園の孤島を舞台に、夏のひとときを過ごす様子を描いています。クレアは、携帯電話が繋がりにくい環境の中で、島に住む動物たちと交流しながら通信が良好なホークピークの山頂を目指します。

ゲームの概要

本作の舞台となる島は、オープンワールドとして設計されており、クレアが自由に探索できる環境が整っています。山頂へ向かう道案内は存在しますが、プレイヤーはそれに縛られず、興味のある場所を訪れたり、楽しいミニゲームに挑戦したりと、自由な行動が可能です。クレアは羽を広げて滑空したり、壁面を登ったりといったアクションも駆使して、さまざまな景観を楽しむことができます。

主なアイテム

ゲーム内には多くのアイテムが登場し、クレアの冒険をサポートします。例えば、黄金の羽根は様々な場所で手に入れることができ、集めることで空中でのジャンプ回数を増加させたり、崖を登る際の体力ゲージの役割を果たします。寒冷地では体力ゲージが回復しにくくなるため、温泉や焚火を活用してリフレッシュすることも必要です。

その他のアイテムとしては、地面を掘れるシャベル、水辺で魚を釣るためのつりざお、水を汲むためのバケツ、岩を砕くつるはし、そしてビーチバレーのようなミニゲームに必要なスティックがあります。また、クレアは素早く走るためのランニングシューズや、水上でモーターボートを運転するためのボートマニュアル、飛ぶ高さを引き上げる白銀の羽根なども手に入れることができます。

開発の背景

本作の開発は2018年に始まりました。adamgryuのクリエイター、Adam Robinson-Yuは、以前はRPG制作に関わっていましたが、作業に疲れを感じていました。そのためプロジェクトを中断し、自然の美しさをゲームデザインに変換することを目指しました。彼はハイキングを愛し、2018年には多くの国立公園を訪れ、山の頂にたどり着く満足感や荒野での静けさをゲームに反映させるアイデアに行き着きました。

更に、スウェーデンの森林地帯で行われたゲーム開発合宿「Stugan」では、他の開発者と共にシンプルな登山ゲーム『The Secret of Dank Mountain』を制作しました。この経験が本作にも影響を与えています。

本作は、2019年4月にHumble Bundleのサブスクリプションサービス「Humble Monthly」でのリリースが決まっていたため、短期間で完成させる必要がありました。その結果、わずか4か月で開発が完了し、後にパルクールや釣りの要素を追加した「The Extra Mile」がSteam向けにリリースされました。

受賞歴

『A Short Hike』は、その独特なアートスタイルや物語性により、多くの賞を受賞およびノミネートされています。2019年にはBoston Festival of Indie Gamesにて「Innovation in Art & Narrative」部門で受賞し、同じ年のGolden Joystick Awardでは「Best Indie Game」にノミネートされています。また、第23回D.I.C.E Awardsでも複数のノミネートを受け、IGF Awards 2020では「Seumas McNally Grand Prize」および「Audience Award」を受賞し、その他の部門でもノミネートを果たしました。

本作は、カナダのアルゴンキン州立公園やアメリカのピルチャック山での実体験が反映されており、治癒力のある自然の風景を楽しむことができるゲームとして、多くのプレイヤーに愛されています。

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