A-30 (航空機)

バルティモア軽爆撃機の詳細

バルティモア（Martin Baltimore）は、アメリカの航空機メーカーであるマーティン社が開発した軽爆撃機です。この航空機は、第二次世界大戦中にイギリス空軍において主に地中海方面で運用され、戦局に貢献しました。バルティモアという名前は、アメリカのメリーランド州の最大都市であるボルティモア市に由来しています。

開発背景と生産

バルティモアは、メリーランド軽爆撃機を基にした発展型として設計されました。1941年6月に初飛行し、1944年5月までに合計で1,575機が生産されました。イギリス空軍では、この機体が多くの軽爆撃任務で使用され、特に地中海方面で目立った活躍を見せました。また、フランス空軍の要望も受けて開発されたことから、イギリスを経由してオーストラリアや南アフリカに譲渡された機体も存在しました。

アメリカ陸軍はバルティモアにも関心を示し、A-23という呼称で少数を購入し性能を評価しましたが、最終的には本機を採用することはありませんでした。ほとんどの生産機体はイギリスに供給され、アメリカ本土では運用されることはなかったのです。

設計の特徴

バルティモアはイギリス空軍の仕様に合わせて設計が行われました。その主な変更点には、エンジン性能の向上や胴体の拡大があります。これにより、爆弾の搭載量が増加し、乗員が機体内で前後に自由に移動できるようになりました。また、防御武装も強化され、戦闘での生存率向上が図られました。

戦歴

バルティモアの最初の配属部隊は第223飛行中隊で、多くの部隊が編成され北アフリカ戦線へ展開しました。この機体は、ドイツ軍のアフリカ軍団に対する攻撃で重要な役割を果たしました。さらには、シシリー島の攻略やイタリア本土攻撃にも参加し、イタリア戦線だけで5,000回以上の出撃を行い、6,000トン超の爆弾を投入しました。

イギリス軍の装備仕様に従い、バルティモアには11発の7.7mm機銃が装備され、低空からの地上攻撃にも対応しました。これにより、航空支援の任務を成功裏に遂行することが可能となったのです。

スペック

以下は、バルティモアの主要なスペックです:

• - 全長: 18.70 m
• - 全幅: 14.80 m
• - 全高: 4.33 m
• - 全備重量: 10,270 kg
• - エンジン: ライト R-2600-29 空冷星型14気筒 1,700hp x 2
• - 最大速度: 515 km/h
• - 実用上限高度: 7,620 m
• - 航続距離: 1,530 km（爆装時） / 4,180 km（輸送時）
• - 武装: 爆弾908 kg、7.7mm機銃 x 11
• - 乗員: 4名

結論

バルティモアは、第二次世界大戦中において特に地中海地域で重要な役割を果たした軽爆撃機です。その性能と設計は、当時の航空戦において大きな影響を与え、多くの作戦で活躍しました。

もう一度検索