ABCアシッド映画館

ABCアシッド映画館について

『ABCアシッド映画館』は、朝日放送ラジオ（ABCラジオ）で1993年4月から2009年11月まで放送の映画情報番組です。本番組は毎週土曜日の深夜に放送され、映画の紹介や評論を通じてリスナーに映画の魅力を広めました。パーソナリティを務めた平野秀朗と鳥居睦子の独特なトークスタイルは、多くのファンを魅了しました。

パーソナリティとスタッフ

平野秀朗

平野は放送作家であり、自称映画予想家として番組「館主」を務めました。番組内では「先生」と称され、映画評論のほか、オープニングコールや投稿の読み上げ、イベント告知など多岐にわたる役割を担っていました。彼の映画に対する情熱や独特の視点が、リスナーにとっての大きな魅力でした。

鳥居睦子

フリーアナウンサーの鳥居は、平野と共に番組を盛り上げ、リスナーとの架け橋として活躍しました。彼女はオープニングとジングルのコール、投稿の読み上げを担当し、あたたかい人柄で多くのファンに支持されました。特に彼女のブラッド・ピットファンとしての発言は、リスナーに親しみを感じさせました。

ぼんちゃん

本番組に登場する謎のキャラクター、ぼんちゃんは初代ディレクターの声に酷似していました。毎年1回の放送に登場し、映画についての難癖を付けることで、パーソナリティを困惑させていました。2000年代初頭から姿を消しましたが、その記憶は印象的です。

他にも、短期間レギュラーを務めた宮本真由美や、番組を支えた初代ディレクターの板井昭浩、長い間ディレクターを務めたD伊藤など、多くのスタッフが番組の魅力に寄与しました。

番組の構成と内容

『ABCアシッド映画館』は、映画紹介や評論に重きを置いた構成で、パーソナリティの二人がリスナーに了解しやすい形で映画の情報を伝えることに注力していました。平野のコメントに対して鳥居が軽快に相槌を打つスタイルは、リスナーを引き込む重要な要素でした。

平野は時に大胆な意見や辛口な評価を行うこともあり、そこに鳥居が上手くフォローを入れることでバランスを保ちました。彼の独特な視点はリスナーに新たな映画への興味を抱かせ、映画ファン以外にも多くの聴取者を引きつけました。

映画批評

この番組では、映画に対する独自のアプローチが特徴的でした。評価が疑わしい映画にもはっきりとした意見を述べ、リスナーが映画を選ぶための参考にすることを重視しました。基本的には具体的な結末や重要なネタバレを避けつつも、作品の本質に迫る形で評論を展開しました。また、業界内の事情にも言及することで、聞き手の興味をひきつけていました。

特徴的なコーナー

番組内では「ニューシネマライナー」としての新作映画紹介や、「ちょいカキ平野のハリウッドスキャンダル」など、バラエティに富んだコーナーが展開され、リスナーが様々な角度から映画に触れられるよう工夫されていました。さらに特別企画として「アシッド・シネマグランプリ」や、「アシッドサントラハウス」の放送も行われ、リスナーからの投稿を元にした選考活動が行われました。

終了とその後

2009年7月に平野が番組を降板した後、鳥居はしばらくの間単独で番組を続けましたが、結局は特別番組としての放送に移行しました。2009年10月には「ABCアシッド映画館スペシャル」が放送されましたが、12月には完全に終了し、16年8か月にわたる放送に幕を下ろしました。

この番組は時代を超えて多くのリスナーの心に残る存在であり、その影響は今も感じられています。映画に対する真摯な姿勢やユーモア交じりのトークは、多くの映画ファンたちにとって、忘れられない思い出となっています。

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