ABRACADABRA (BUCK-TICKのアルバム)

BUCK-TICKの22枚目オリジナルアルバム『ABRACADABRA』

日本のロックバンドBUCK-TICKによる22枚目のオリジナルアルバム『ABRACADABRA』は、2020年9月21日にリリースされました。この日は彼らがデビューしてから33年が経つ記念すべき日であり、アルバムのリリースは多くのファンにとって特別な意味を持つものでした。

アルバムの概要

『ABRACADABRA』は、前作から約2年6か月ぶりの新作であり、収録曲は2019年の秋から制作が始まりましたが、新型コロナウイルスの流行によりレコーディングは一時中断されるという波乱の展開がありました。アルバムタイトルは、収録楽曲「ユリイカ」の歌詞をもとに今井寿によって決められています。特筆すべきは、全14曲が収められている点で、シングルとして発表された「獣たちの夜」「堕天使」「MOONLIGHT ESCAPE」「凍える」も含まれていますが、高いアレンジの幅広さが印象的です。

特に、シングル版と異なり、本作に収録される「獣たちの夜」と「堕天使」は、YOW-ROWによってデジタルサウンドを重視した新たなアレンジが施されています。アルバムバージョンにおいては、アレンジを担当した人物の名がクレジットされているのが特徴であり、今井はその理由として「形式に縛られず自由に作りたい」という意図を持っていると語っています。

リリース形態

今回のアルバムは、さまざまな形態でリリースされており、完全生産限定盤、通常盤、完全限定アナログ盤、カセットテープ、ハイレゾ配信、ダウンロード/ストリーミングサービスの6タイプがラインナップされています。このうち、完全生産限定盤には、Blu-rayおよびDVDが付属し、表現の幅を広げるミュージックビデオが収録されています。また、アナログ盤も久しぶりのリリースで、ファンからの要望を受けてプレーヤーの発売が決定したことからも、強い期待が寄せられていました。

チャート成績

アルバムは、2020年10月5日付のオリコン週間アルバムチャートで20,494枚を売り上げ、初週で3位にランクインしました。この成功は、前作『No.0』に続くものであり、BUCK-TICKの音楽的な人気を一層強固なものとしました。また、合算チャートでも21,722ポイントを獲得し、5位に登場しています。

収録曲の魅力

アルバムに収められている楽曲の中でも特に注目されるのは、

• - PEACE: 13曲目の「ユリイカ」をもとにしたインストゥルメンタル。
• - ケセラセラ エレジー: VRアニメ『PEACH BOOTY G』の主題歌。
• - URAHARA-JUKU: 原宿を題材にした曲で、櫻井はテーマとして社会的な問題を描いています。
• - 凍える Crystal CUBE ver.: テレビ東京のエンディングテーマとして使用されています。
• - 舞夢マイム: 昭和歌謡の影響を感じさせる作品。
• - ダンス天国: 現代社会におけるLGBTQ+の視点を描いています。

特に、アルバムのラストを飾る「忘却」は、櫻井と樋口の意向によってラストナンバーに選ばれた背景があり、今井もこだわりを見せていた一曲です。

まとめ

『ABRACADABRA』は、BUCK-TICKが持つ多様な音楽性と社会的メッセージを見事に融合させた作品です。新型コロナウイルスの影響を受けながらも、彼らは創作活動を続け、その結果、ファンに新たな感動をもたらしました。今後の活動にも期待が寄せられる一枚となりました。

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